プロローグ
以前の【ツールド冬休み 大分編】では、フェリー旅のあまりの心地よさに感動したものの、寒さに対する備えの甘さや冬山での積雪に苦しめられました。
この冬も懲りずに【自転車旅】に出るわけですが、以前の反省から「暖かいところへ行こう!」と心に決め、旅先を考えていたところ…
大阪港からフェリーが出ているじゃないですか、なんと【鹿児島】まで。
九州最南端があったかくない訳がない。
「フェリー輪行」+「暖かい」の条件を満たしてくれるわけですから、迷わずにフェリーチケットをポチっとな!としてしまった私。
このワンクリックから【ツールド冬休み 鹿児島編】がスタートすることになりました。
そうそう、時は2018年の冬。過去の自転車旅の備忘録です。
旅の装備を整えて
今回の自転車旅は【3泊4日】という贅沢行程です。
船中2泊+現地1泊で、鹿児島をぐるっと一周してしまうプラン。装備はこんな感じ。
フロントには輪行袋を入れた【ロール式ハンドルバーバッグ】。リアにはこの旅用にしつらえた【ROSWHEELの大型サドルバッグ】。ここに着替えなどすべての荷物が入ります。
大分や乗鞍ではリュックを背負っていたけれど、今回は【ウエストバッグ】にアップデート。上半身がフリーなのはやはり快適ですね。
このように旅で経験値をためると、なんとなく旅の「必要十分」がわかってきます。
14:30に自宅を出発して【大阪南港】を目指しますが、今回は長旅になるので、まずは近くの神社で旅の無事を祈願しておきましょう。
淀川沿いに海を目指すのが大阪スタイル。
この大きな水門【毛馬こうもん】通称【こうもん様】まで一気にやってきました。この迫力と連なり感はクセになるので、どうしても写真を撮ってしまう。
こうもん様からは【大川」沿いに大阪城公園方面へ。
桜の通り抜けで有名な【大阪造幣局】や、天神祭りの本社【大阪天満宮】にもちょこっと立ち寄り。
北摂に住んでいると「水都おおさか」とか言われてもピンときませんが、縦横に網の目のように流れる川と行き来する水上バスや屋形船を見ていると、大阪市内は本当に水の街なんだと実感します。
なにより大阪湾を目指すには川沿いが一番スムーズ。整備された川岸は走りやすいうえに景色がいい。
【中の島】とかロードバイクで走るのはこの時が初めて。
中の島と言えば【中央公会堂】または【中の島公会堂】。大正時代から残る大阪のランドマークの一つです。こういうレトロな建造物群があるのも大阪の街の魅力。
さて、フェリーの時間は17:55なのですが、少しのんびりポタリングしすぎたようです。
同じ大阪湾でも【南港】はアクセスが悪い場所なので、余裕をもってきたつもりですが、結構ギリギリ。急いでペダルを回します。
さんふらわあ さつま に乗船
道に迷い、南港へのアクセスに苦労し、フェリーターミナルに着いたのは17:30。出航まで約20分。
「二度と自走でくるかぁ!」とか思いながら、息を切らせてカウンターに着くと、受付のお姉さんから衝撃の一言。
「フェリーにはここからシャトルバスに乗って行ってください。」…なにぃぃ!?
今回乗船する【さんふらわあ さつま】は、南港のさらに奥に接岸しているので歩いては行けないらしい。とにかく時間がないのでバイクを担いでバス停までダッシュ!
最終便のバスには私一人。運転手さんはバイクを担ぐ私にビックリ。「時間ないから、自転車ごと乗って!!」ってスイマセン。
バスが付いたのは、フェリーターミナルの待合室。ここで初めてチケットを確認して乗船となるんですが、徒歩乗船なので輪行袋に入れないといけない。
「ごめんなさい!すぐ入れます!」とタイヤ外してフレームと一緒に輪行袋に突っ込むという荒業。
ダッシュで船に飛び込んで…ギリギリセーフ。
という顛末で、フェリー関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、この場を借りてお詫び申し上げます…。
乗船したら、ながーいエスカレーターで客席フロアに上がっていきます。登り切ったエントランスでは汗だくの私を見かねたクルーのお姉さんがお手拭きタオルを差し出してくれました。スイマセン。
さて念願の【さんふらわあ さつま】です。前回乗ったのは【さんふらわあ あいぼりー】。大分へは瀬戸内航路ですが、鹿児島行の本便は太平洋航路です。心なしか、荒波に負けない大きくたくましい船のような気がします。
なお、ぱっと見た感じ自転車野郎は私だけ。ジャージにヘルメットの私も心なしか浮いているような気がします。(笑)
初日からさっそくトラブルでしたが、フェリーに乗ってしまえばあとはゆっくりできます。
ロビーの隅で輪行セットのやり直し。今回はツーリストベッドなので、ゆっくり着替えと荷物整理。そして、意図せず汗だくになってしまったので、お風呂へ。このフェリーの大浴場が好きなんですよね。
フェリー乗船にバタバタしすぎたので手ぶら乗船。夕食は船内売店と自販機を駆使してこんな感じです。これはこれで、ジャンクっぽくて素敵。
ちなみに、この船にはフリースペースがたくさんあるのが特徴です。太平洋航路で乗船時間も長いので、乗客が就寝以外にもくつろげるように配慮された間取りなんだと思います。
フリールームのカウンターで、ジャンクフードとビールを楽しみながら、手持ちのノートに1日目の旅記録をしたためます。
うーん。初日から怒涛の展開。これは濃い旅になりそうですねえ。
つづく。
コメント