帰阪ライド プロローグ
旅の4日目は大阪港から自宅へのライド、わずか50km。
とはいえ、電車を使わずに自走で帰るつもりなので、普通のルートを組んでも面白くない。
折角なので、大阪湾周辺の渡船を駆使して淀川下流にアプローチしましょう。
走行距離52km、獲得標高280m、実走行時間3時間の帰阪ライドです。
さんふらわあの朝
ゴンゴンゴン…、この振動が心地よくていつも熟睡してしまう。朝の放送で目を覚ますのも一緒。船旅はやはり最高だ…。とか思いながら目を覚まします。
船はすでに大阪湾。眠っている間に移動するというのはやっぱり凄いですね。
きっと淡路島越しに見えている朝陽。この感じが好き。
船旅のもう一つの楽しみが「朝食ビュッフェ」。700円で好き放題食べられるのは本当にありがたい。コーヒーを飲みながら景色を見るゆったり感も格別です。フェリー最高!
朝食と朝風呂を済ませて、装備を整えたら大阪港に到着。我ながら見事な時間配分ですね。
一晩かけて大阪まで運んでくれた【さんふらわあ きりしま】に別れを告げて、大阪港へ上陸です。
そういえば、行きはギリギリ飛び込んでゆっくり見ることもできなかったシャトルバスのバス停とかWTCとか。つい2日前なのになぜか懐かしく感じます。
フェリー【さんふらわあ】が私の自転車旅に残した爪痕は大きすぎます。また乗るぞー!
大阪湾の公営渡船たち
水都大阪には、湾岸沿いに住む住民のために、公営の無料渡船が行き来しています。
経路にして計8航路。大阪の湾岸や河口を結ぶ大阪市民のライフラインなんですが、今回はこれを乗り継いで淀川河口を目指します。
船内はこの見た感じのまま。自転車をもっての立ち乗りが基本スタイル。
どの航路も対岸まで5分とかかりません。時刻表も様々。時間帯にもよりますが大体10~15分間隔で往復しています。
浮島を発着する渡船。対岸の発着場が見えているのも風情ですね。大阪は都会のイメージもありますが、河口付近はこういった港町・下町の景色が色濃いのです。
大阪湾沿いには工場も立ち並びます。パイプラインと蒸気も景色の一部分。スチームパンクだ!
車は架橋で、人と自転車は渡船で。というのが大阪湾スタイル。
湾岸の工場地帯と内陸の商業地帯の景色が交わる場所。意外と知られていない大阪の風景。
渡船を乗り継ぎ【天保山(てんぽうざん)】に到着。日本で一番低い山、標高4.53mは頑張ったらKOMがとれるかも。
このあたりから景色は一気に大阪観光地の様子となってきます。
最後の渡船を降りると、そこは【桜島】。名称は鹿児島と一緒ですね、今気づきました。
大阪の桜島といえば【ユニバーサルスタジオジャパン】。中にこそ入りませんが、ハリーポッターな写真は撮っておきましょう。
淀川の河口まで出るとあとは川沿いに北上するだけ。シンプルなルート構成で、お昼前には自宅に到着することができました。
旅の4日目のまとめ
旅の最終日は、大阪南港から大阪北摂にある自宅までの自走ライド。
大阪といえども色んな場所とルートがあるのですが、今回は【公営渡船】を使った湾岸ライドを中心に組み立てました。
鹿児島旅の非日常から、急に覚めるのも勿体ないので【プチ大阪旅】をもって旅のしめくくり。
大阪を走られる方は、ぜひ【湾岸の渡船】を利用してみてください。非日常感がいい感じですよ。
エピローグ&旅のまとめ
【鹿児島県】。大阪から最も遠い場所の一つですが、京阪神からのアプローチ方法には恵まれていて、フェリーのほかにも新幹線や飛行機も選択肢としてはありえます。けれど「自転車旅との相性」という意味ではやはりフェリーに軍配が上がりますね。移動時間は長いのですが、それでも朝イチから走り出せて、夕方にゴールできるというのは大きなアドバンテージです。
鹿児島はその条件下で、初めて訪れた地を丸二日にわたってできる限り走ってきましたが、一言でいうと「広すぎ」。錦江湾を隔てた二つの半島は全くの別物で、とても2日で回れるような距離感ではありません。どこかに書きましたがやはり鹿児島は現地で3~4日ないと、十分に回れないと思います。
しかし見どころは本当に多くて、ほかの都道府県では見られない地理上の特徴はやはり一見の価値ありです。特に【火山】は鹿児島を象徴する一つのテーマでもありました。
ツールド冬休みは暖かい南に向かうことが条件の一つなのですが、鹿児島はまさに南国。冬向けのライド場所としてオススメです。
<旅の感想>
・気候が良かった!冬でも暖かくライドには困らない。
・大隅半島は急峻な山の連続で走りごたえがある。その分進まないけれど。
・【雄川の滝】はどんどん観光地化されちゃうんだろうなあ。県の事情も分かるけど、行けるところには早めに行っといたほうが良い。【佐多岬】はぜひ行っておきたかった…。
・【桜島】の存在感がスゴイ!今回火山灰の影響はなかったけれど、タイミングと風向きではウェアとバイクは真っ白(真っ黒?)になってたかも。
・薩摩半島側の攻略レベルは高すぎ。行きはフェリー、帰りは新幹線(またはその逆)というのも選択肢としてあり。現実的には二つの半島は分けて考えるべき。
・ひたすら船に乗った。鹿児島で4回、大阪で6回、計10回の乗船で船旅を満喫。
<旅の反省>
・船に乗り遅れそうになること数回。鉄道と違って次の便とかないから、下調べと余裕をもって港に到着すべし。
・荷物構成に課題アリ。もっとコンパクトにできるはず。ランドリーがあれば着替えはいらないという結論。
・宿泊ライドの場合は体力配分を慎重に。1日目の無理は2日目に必ず影響するので、頑張りすぎたら行程の見直しも必要。(今回は佐多岬をあきらめた。)
<鹿児島1日目>【総距離140km、獲得標高2,300m、実走行時間8時間00分】
8:55 フェリー下船 → 9:30 志布志港を出発
12:40 雄川の滝上流展望所着 → 間違いに気づく → 13:45 雄川の滝到着
14:30 雄川の滝出発 → 15:00 錦江にしきの里のファミマで昼食
16:00 荒平天神 → 17:30 桜島入口 → 桜島を通過撮影
18:30 桜島フェリーターミナル → 19:00 鹿児島港到着
19:30 ホテルにチェックイン → 20:00 天文館むじゃきで夕食
21:30 ホテルに帰着 → ランドリー・日記・入浴 →23:30 就寝
<鹿児島2日目>【総距離99km、獲得標高900m、実走行時間4時間40分】
5:00 起床 → 鹿児島中央駅へ
6:21 鹿児島中央駅出発 → JR指宿枕崎線 → 7:33 山川駅到着
7:50 ライド開始 → 8:30 西大山駅 → 9:00 川尻海岸
10:05 山川港着 → 港間違いからのTTチャレンジ → 10:29指宿港
11:00 高速船なんきゅう10号乗船 → 11:30 根占港着 → 昼食
13:50 鹿屋航空基地史料館 → 16:30 志布志港着
17:00 フェリー出航 → 風呂・夕食・日記 → 22:30 就寝
<経費>
科目 | 内容 | 内訳 | 金額(円) |
交通費 | さんふらわあ往復+ホテル | パック料金 | 22,500 |
桜島フェリー | 桜島~鹿児島港 | 270 | |
JR指宿枕崎線 | 鹿児島中央~山川 | 1,100 | |
高速船なんきゅう10号 | 指宿~根占 | 1,500 | |
食費 | 1日目 | 夕食ほか | 800 |
2日目 | 朝昼夕食ほか | 6,000 | |
3日目 | 朝昼夕食ほか | 4000 | |
4日目 | 朝食 | 700 | |
雑費 | お土産ほか | 2,500 | |
総計 | ーーー | ーーー | 39,370 |
総経費はほぼ4万円。フェリーとホテル代込みの3泊4日で考えると妥当ですね。むしろ大阪から鹿児島の距離ベースで考えると破格かも。
やはり宿泊旅は出費以上にたくさんの経験と思い出が手に入るので、やめられませんね。
時は2018年の出来事でしたが、この後も様々な旅に出るのでした。
おしまい。
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