初夏になってきました。私事ですが気温が高いのが苦手。
普段は自転車旅を楽しむ身ですが、どうにも気温が上がると調子がくるって偏頭痛になりがちなんですよね。エネルギーや水分の補給には気を付けているんですが…
そんなことなので、少しでも標高の高い場所に行ってしまえば涼しいだろうと、今回は山伝いに能勢・川西方面へ。【野間の大ケヤキ】そしてその先の【一庫ダム(ひとくらダム)】の【龍化隧道(りゅうがすいどう)】を見に行ってきました。
ルートはこんな感じ。右下からの反時計回りコース。
距離72km、獲得標高830m、実走行時間3時間30分というプロフィールです。
北摂住まいですが豊能以西はあまり走らないので、久しぶりの【能勢】の景色が新鮮。いつものトレーニングコースから少し足を延ばすくらいでいけるのに、なぜか敬遠してしまうのは標高的にも霊的にも「野間峠」のせい。(ウソ)
【野間の大ケヤキ】は北摂ローディーのたまり場のひとつ。いつ行っても色とりどりのバイクがラックにかかっています。こういう場所ではフォロワーさんに声をかけられるかもとドキドキしてしまう私。
せっかくなので一旦ここで休憩。日陰でしっかり水分補給をしてから今日の目的地へ出発です。
そういえば旅の帰路で通ることはあるものの、目的地として【一庫ダム(ひとくらだむ)】&【知明湖(ちみょうこ)】周辺をしっかり走るのは今回が初めてです。
ワクワクしながらペダルを回していると、とある施設が目に入ります。
【国崎クリーンセンター】。見た感じいわゆる廃棄物処理場ですね。しかし妙にきれいな道路が引いてあるので…
…ローディーとしては登ってしまいがち。あとで分かったんですが、この坂でヒルクライム大会が開催されている(!)くらいに良い坂。クリーンセンターおそるべし…。
登り切ったらサイクルラックがあるじゃないですか!ほらやっぱり(何が)
どうやら施設内にもウェルカムのようなので、バイクを置いて建物内に入ってみましょう。
受付のお姉さんが「お疲れ様です。」と慣れた感じで応対してくれます。やっぱりローディーに慣れていらっしゃる。この施設のことなどいろいろ教えてくださったので、折角なので見学することに。
ここは屋内に見学ルートが整備されていて、廃棄物処理の様子がじかにわかります。釣り下げクレーンが素敵すぎ。
クリーンセンターからは【知明湖】の周回道に入れるので、ここからのんびり湖畔ライドです。
ダムといえば京都の【天ケ瀬ダム】や【日吉ダム】なんかに1DAYライドで立ち寄ったりすることがありますが、この【一庫ダム】は他より小さいはずなのになぜか一回り大きく感じます。
ちょうど二つの川の合流地点をダム湖にしているので、かなり大きな中洲があって、そこに公園や施設が詰まっているので立ち寄り場所が多いからかもしれません。
個人的には色とりどり&形それぞれの「橋梁」があるのがお気に入り。アーチ橋やつり橋の数が多いのでうれしいエリアです。
小高い丘の中州エリアに沿った周回道は、車なんてほとんど通らないのでまさにサイクリスト天国。気持ちよいライドが味わえます。
こういうお客さんも好き。カメラをもって静かに追い掛け回す私。シマヘビかわいい!首をもたげた感じがなんともセクシーです。(意味不明)
青いバイクに青い橋。静かな湖畔の風景。
そうそう、近代ダムだなあと感心したのがこの「ブクブク(?)」水槽にあるアレですね。きっとダム湖の水質と酸素濃度を調整してくれているのでしょう。ブクブクはダム湖の何か所かにあって、見つけたときはなぜか嬉しくなります。怪獣とかでてくるんじゃないか…というワクワク感もあったりして。
どーーーん!ダムの堤体だーーー!!これを見るといつも「進撃の巨人」を思い出してしまう。
堤体があるということは、あそこがダム湖の最南端。つまりここまでで約半周といったところ。水辺に浮かぶボートから堤体の大きさを実感しますね。
中州の半島を半周して、今度は山側への登りに切り替わります。そこで見たことない橋を発見!
遠目から「なんだアレは!?」と思っていたんですが、近づいたらわかりました。これは補修中のアーチ橋。足場が組んであるのは初めて見ました。この異様な光景はたまりませんね。見られてなんだかラッキーです。
この足場を上って、アーチのてっぺんに行ってみたい気持ちに駆られます…。
静かな湖面。深いグリーンがいかにも「ダム湖」という感じですね。
橋の下の景色。こういった建築美も「絶景」と言っていいと思う。やはり手前の階段を上ってみたくなる衝動をおさえつつ…。
マップでは一か所「吊り橋」があったので、意気揚々と見に行くとまさかの「閉鎖」の二文字。木造の橋はやはり経年劣化に弱いんでしょうか。タカイトコロコワイくせに渡りたいと思うのはどうかと自分でも思いますが、惜しいなあ。
さて、今回【一庫ダム】に来たのは、ダム湖のすそ野にあるという【龍化隧道(りゅうがすいどう)】を見ておきたかったから。ここに来るためにダム湖をぐるっと一周してきたわけです。
実はさっきまで中州だったので、この写真の対岸側を走っていました。目的地はこちら側からのアプローチなのですが、先ほどの吊り橋閉鎖のため、かなりの遠回りを余儀なくされました。
途中からバイクを担いで渓流の河川敷に下りて、そこから先は押し歩き。だんだんと探検チックになってきましたよ。
ここからは先ほど見たつり橋を下から見上げる形になります。うーむ、素人目には傷んでいないように感じますが…。でも安全第一ですね。
岩々した渓谷ゾーン。ここも見ごたえがあります。水もきれいで渓流釣りの人が多かったのが印象的。
【龍化隧道】は川沿いにあるんですが、大雨での水位の上昇によってダム湖に沈んじゃうらしい。ということは、この渓谷自体も沈んじゃうわけですね。ダムの貯水量おそるべし!
しばらく押し歩きをすると…
どーーーん!!【龍化隧道(りゅうがすいどう)】に到着です。おーっ!ほんとに手彫りっぽいトンネルだ!
この【龍化隧道】は旧国道173号線のトンネルで、植村治郎兵衛さんが手掘りで作られた由緒ある旧トンネルです。渓流沿いに掘られた岩肌むき出しの武骨なトンネルはかなりの迫力…異世界感がすごい。
…なのに。「立ち入り禁止」の表示がドーンと立ちふさがります。残念、一足遅かったか…。
要は落石等の事故が予想されるからですよね。コンプライアンスの時代、行政はこういうことをしないといけないわけで…残念だけど仕方ありません。使われない旧道のトンネルを整備するなんて、今後はありえないでしょうから、自然劣化のままに未来永劫この状態になるのでしょう。
渓流釣りのおっちゃん達は「いったらええやん。」と言ってくれますがあきらめましょう(笑)。実際に自分の目で見て納得できたので良しということで。
ここからは自転車を担いで、上の周回道に戻ります。このトンネルが龍化隧道の上部に建設された【新龍化トンネル】です。こちらはいたって普通のトンネル。
それでは目的の場所をめぐり終えたので、知明湖を一周して帰路につきます。
今までは半島の内側を走っていましたが、いわゆるダム外周を回るコースにスイッチ。こちら側はずいぶん開けていて、親水施設も充実していました。こちらが一般の人がイメージするダム湖ですね。きっと。
ダム堤体に接近。やはり間近で見ると迫力が違います。あの放流口が全開になるのを見てみたい。…でも、きっとその時は大事件なので開かないに越したことはない。
この日、ここではじめて【知明湖(ちみょうこ)】というのを知りました。ずっと「ちめいこ」だと思っていてスイマセン。ところで奥に見えるウォールアートっぽい建造物はなんだろう。
全くもって謎の建物。ダム施設であることは理解できるけれど…、しかし階段がこっちに向いているということはウェルカムということですね!(断定)
と言って、ただ登らずにバイクを担いでいってしまうのが私の悪いクセ。
そしてここは展望台でした!堤体側から広い知明湖を見渡せます。風も涼しいし、ここイイですね!
道を挟んですぐそばに「ダム管理事務所」がありましたが、休日のためお休み。ダムカードって平日じゃないと手に入らないのかしら。
ダムの堤体側から街を見下ろすの図。放流すると下の川に流れていくんですね。
先々にあれだけの街があるわけだから、ダムが治水上とても重要な施設だということがわかります。巨大インフラですが維持管理をしつつ末永く街を守ってもらいたいものです。
…ということで、北摂の東から西まで、山間エリアをぐるっと回ってきました。という日常ライドのお話でした。
めでたし、めでたし。
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