<愛媛・広島>松山から、海を越えて呉へ!【ツールド×親子旅】2日目②

ツールド×旅Life

ツールド×親子旅、2日目後半のお話です。

ダイジェストは前回の記事に載せたので、おさらいがてらルートを紹介します。

前半の記事では、愛媛県の東予港から国道11号線を経て松山を目指し、一つ目の目的地である松山城を観光したところまで。今回は道後温泉から海を渡って広島県呉市までの行程です

ということで後半戦のスタートです!

古式ゆかしい…はずだった、道後温泉

松山城の城下町で食べ歩きを満喫した親子。

ここからは子どもがもう一つ興味をもった「道後温泉」へ行くことに。

道後温泉も同じ松山市街地にあるので、自転車でほんのすぐ。

歴史的な建造物を見たいのと、早朝ライドで冷えた体と疲れた脚を温泉でリラックスさせることが目的です。

あっけなく、ものの10分で着いてしまった。

ここは伊予鉄の「道後温泉駅」。先ほど見た「坊ちゃん列車」の展示?もされていました。

ちなみに私も子どもも「坊ちゃん」を読んでいないので、作品にちなんだ景色やモニュメントの類はまったくわかっておりません。

そんなわからない親子が「坊ちゃん時計」を眺めるの図。

定時になると時計台がせりあがり、からくりで物語にちなんだ演出をするそうです。

人だかりがすごいので、きっとすごく有名なんでしょう。が、やはり親子ともわからない。

ユニコーンガンダムだったらわかるのに…と失礼な私たち。

そういえば、過去旅でも一人でここを訪れていますが、その時はコロナでこんなに人はいなかった。

この親子旅はコロナ解除直前の春休み期間ですが、こんなに人が戻ってきています。

ある意味ではコロナ禍の時が一人旅はしやすかったのですが、これからは観光地に人が戻ってくることを想像しておかないといけませんね。

この風情あるアーケード商店街を抜けると、そこには伝統的な道後温泉本館の門構えが…

どーーん!!…って。

あれ?

道後温泉は??

「ななな、なんじゃこりゃーーー!!!??」

道後温泉だった場所に、サイケデリックな謎の建物が!!

これは自分の下調べが甘かったんですが、どうやら数年かけて道後温泉の改築工事を行っているようです。その偽装カバーがこれ。

なにもこんなにサイケにせんでも…と思いますが、アートのひとつですかね。

がっかり&驚きモードの親子ですが、一応これも記念にと写真を撮っておきます。

他人が見てもわからないと思いますが、我々には強烈な思い出。これが道後温泉だ!(笑)

こう見えて実は一部営業しているので、裏手側は無事?でした

伝統的な日本建築の温泉館の姿が辛うじて残っています。

しかし!

入場整理券、男性分配布終了…。まだお昼なんですけど。

観光地ともなると、こういう現象が起こってしまうんですね。世知辛いなあ。

道路を挟んだ対面に「入った気になろうゾーン」があったので、ここで我慢しよう。

子どもは「それはいいや…」って、なんかごめんな。

意気消沈したものの、今日は広島までまたフェリーでわたるのだから、ここの商店街で買い出ししておこう!と無理やりテンションを上げて、坊ちゃん通りを徘徊します。

子どもが大好き駄菓子屋さんで、おやつをいっぱい買い込んでおきましょう。

あいかわらず坊ちゃんになじめない私たち。

この日は開湯イベントもあったようで、商店街は大賑わいでした。

松山の港を巡る

道後温泉に驚愕し、商店街での買い出しを終えて、ここからは一路「松山観光港」を目指します。

松山城の天守からは松山の海辺までが見渡せていたので、海まではそう遠くはありません。

港を目指して、行きかう車や路面電車の走るエリアから徐々に離れていきます。

海辺までもほんの数キロ。西に向かって走っていると、懐かしい潮の香りがしてきました。

うん、これが海。

新居浜ルーツの私には、鼻の奥に潮の香りが染みついている気がします

あえてルートに組み込んで、子どもに体験してもらいたかったのが、この「三津の渡し(みつのわたしし)」。

松山市営の渡船で、入り組んだ河口の一部を数十メートルの短い航路で結んでいます。こういう海辺の交通文化なんて、子どもは知る由もない。

様々な場所に人が住んで、生活を営んで、独自の文化や風俗が発展する。そういうことを知ることもまた人の視野や考え方を広げるものだとおもっているから。

最新のスマホとリアルタイムの情報以外にも、人には知っておくべきことがたくさんあるような気がします。

自転車ごと渡船に乗船させてもらって、3分間の船旅。

でもこの航路がないと、対岸にいくのにすごく時間がかかってしまう。住民の生活には欠かせない海上交通です。私にとっては2回目の乗船。

個人的に素敵だと感じた座布団兼救命胴衣。機能性もさることながら、水着女子のデザインが昭和っぽくすぎて刺さります。

渡船には、我々親j子とは別におじいさんと子どもの二人連れが。

話を聞いていると、おじいさんも私と同じように孫にこの渡船を体験させたかった、ということで乗船されていました。こちらも素敵な話ですね。

それでは渡船の船頭さんに別れを告げて、海岸線を北上していきましょう。

海岸線を走りながら休憩場所を探していると、唐突に「みきゃんパーク」が出現!

ここは梅津寺駅のはず…前に来たときはなかったのですが、観光立地としてできたんでしょうね。

せっかくなのでトイレと補給とお土産の調達をさせてもらいます。

うん、やっぱり梅津寺駅(ばいしんじ)だ。

我々世代はみんな知ってる「東京ラブストーリー」の最終回ロケ地なんですよ、ここ。なんでもカンチの故郷がここなんですって。

でも、さすがに大ヒットとはいえ昭和のドラマ。前にあった「東京ラブストーリーの…」看板がなくなっていて、かわりに「みきゃんパーク」ができたってこと。きっと。

湾岸沿いの道はずっと伊予鉄の線路と並行して走っています。

こちらは高浜駅。昭和初期のままの風情ある駅舎は、2013年に福山雅治の映画ロケでつかわれたそうな。1991年の東京ラブストーリーより説得力あるかも。

最新フェリー「シーパセオ」で広島へ

湾岸ライドを楽しんでいるうちに、気が付いたら松山観光港に到着していました。

松山城から通算20km、子どもは少々お疲れの様子。

「まだ走るの?」って聞いてたので、ここがゴールであることを告げると、安心してバイクをおりてました。

本当、よく頑張ったね。

ここは私も初めてくる場所。思ったよりも大きく近代的なフェリーターミナルに驚きます。

調べると、ここは広島だけでなく山口への航路もあるようで、実質的な中国・愛媛の玄関口になっているんですね。

ここのロビーで休憩しながらゆっくりフェリーを待とう!っておもったら受付のお姉さんが「自転車はあちらの受付へお願いしまーす」って。

それがこちら。オープンエアーです。(笑)

でもこういう感じも好き。

待機する車の列に自転車でならんで、重油の匂いがする船着き場でフェリーを待つ。いいじゃないですか。

待つこと十数分、やって来たのは濃紺の船体に金のラインが走る、想像とちがうモダンなフェリー。

白くて四角くて錆が浮いていい味出してる船を想像していたのに…

船底からデッキに上がると…

なんじゃこりゃー!!

ってびっくり。オシャレすぎます。今まで乗って来たどの船とも違う。

子どもはオレンジフェリーに次ぐ2つ目の船体験なので、フェリーってこんなものって思うかも。

船名は「シーパセオ」。海の散歩道っていう意味だそう。シップオブイヤーとかも受賞してるらしい。

日帰り航路の船だけど、客席のバリエーションがすごく多くて、船内もデッキもとても快適に過ごせるようにデザインされています。船好きの人はこの船に乗ることを目的に行程をくんでもいいくらいに思います。

船内探検をひとしきり終えて、われら親子は船の最先端のキャノピー部分に陣取ります。

ここで道後温泉商店街で買った駄菓子を広げておやつタイム

「うーん、最高だ!」というのは子どもの声。

松山から呉までは約2時間。乗船代は大人4,000円、子ども2,000円。そしてこの船の快適クオリティー。なかなか素晴らしいバランス感ですね。

おやつを食べて、ときおりデッキに景色を見に行って、昼寝して。自由に過ごしているうちに、呉の街が見えてきました。

さすが造船の街。船を造り上げる大きなドックと建機たちが、ここがただの港町でないことを主張しています。

また自衛隊の基地も兼ねているので、国防の船舶もちらほら見えたりしています。

オレンジフェリーでの船内泊とちがい、海の上から景色を見ながら風土を知る。なんていう体験ができるのもいいですね。

呉に上陸!てつのくじらと戦艦大和

17時過ぎに「呉中央桟橋ターミナル」に着岸。

西日が差し込む港町。傾いた陽ざしが夕刻が近いことを教えてくれています。

改めて見るフェリーの船体がとってもカッコいい!!この船はここから広島までもうひと頑張りしていくようです。

今日は呉の駅前に宿を確保しているので、ここからは実質のライドはなし。

その分、呉の街をゆっくり楽しもう、というプランです。

港を出て、すぐに見えるのが「大和ミュージアム」「てつのくじら館」

呉のランドマークである、あの潜水艦にどうしても入りたかったのだけど残念ながらタイムオーバー。公共施設は大体17時にはクローズしちゃいます。

それにしてもでっかいなあ!

しかし、大和ミュージアムは17時30分まで入場可能というラッキー。あと数分しかなかったけれど、滑り込みセーフです。

入場さえしてしまえば、出るまでには随分余裕があるみたい。

私、ここに来るまで気が付かなかったんですが、かの「宇宙戦艦ヤマト」って、まんま戦艦大和なんですね。

この1/10スケールの超大型模型を見て、完全に一致しました。船体も砲台も艦橋も、ぜんぶそのまんまだ!唯一、波動砲の穴と推進ロケットがないことを除けば。

なので、博物館内の脳内BGMは当然「宇宙戦艦ヤマト」

とはいえ、親子で体験学習もテーマです。

ここ大和ミュージアムは別名「呉市海事歴史科学館」と言って、戦中からの呉の歴史がわかる史料館になっています。

戦艦大和にときめきつつも、戦争のこともしっかり学んでおきましょう。

出口近くにこのようなパネルが。これが「艦これ」の大和さん。擬人化の先駆けというやつですね。

30分程度でしたが、大和ミュージアムを観覧して、出てきた頃にはすっかり夕暮れ時。

山の斜面から一気に海辺へ駆け降りるような呉独特の地形が、夕陽に照られて立体的に写ります。

呉という港町をわかりやすくあらわした絵地図。この感じそのままです。素晴らしいイラスト!

おお!初代しんかい!!

深海調査の潜水艇ですね。軍事目的じゃないこういった船舶もここで造られたそうです。

この時はまだ海面下600mまでしか潜れていなかったけど、最新技術の粋しんかい6500はその名のとおり海面下6,500mまで潜航可能とか。造船技術の発達もすごいですね。

西の空に沈んでいく夕陽。

愛媛で朝陽を見て、広島で夕陽を見ている。

その間の行程のほとんどを自転車で走っていることを考えると、改めてすごいなあと感じます。

とくに今回は親子旅ということもあり、わずか60kmといえ子どもにとってはそのすべてが初めての体験で、私とは比較にならない密度の学びがあったことと思います。

そんな中での夕陽。うーん、感慨深すぎる…。

2日目旅のゴールは居酒屋とポータブル道後温泉で

港から宿までは本当に目と鼻の先。

呉の街は、港・駅・市街地が一つにまとまっていて、すごくコンパクトな都会です。

今晩お世話になるのは「呉ステーションホテル」。素泊まり型のビジネスホテルです。

自転車旅はローコストで楽しむのが信条、食事は外でご当地物をというのも信条。子どももお疲れですが、荷物を置いたら呉の街へ繰り出していきましょう。

ちなみにロードバイクはフロアロビーのレンタル自転車置き場の片隅をお借りして室内保管させてもらいました。ホテルさん、ありがとうございます!

…地方都市の夕刻を見誤っていた。19時過ぎたら開いているお店が極端に減るんですね。

最初は街のどこかで…って思っていたんですが、結局駅ビルの中で探すことに。

で入ったのは「居酒屋」(笑)

私が飲みたかったのもありますが、他に選択肢がなかったというのも実情。でも子どもはやはり初体験の居酒屋メニューに喜んでいます。

初めての肉寿司とかつお料理、そしてボリューム満点のチキン南蛮。うーんおなかが一杯だ!!

で、帰りには翌朝の食事と夜のおつまみを買い込んでホテルに戻ります。

こういうことも普通の家族旅行ではしないので、子どもにとっては新鮮だったみたいです。

というわけで、最後はホテルの部屋でごろごろ。

そうそう、しっかり入りそびれた道後温泉ですが、商店街でお土産用の「道後温泉の素」を買ってきたので、ホテルの浴槽に入れて二人で温泉気分を楽しんだのでした。(笑)

旅の二日目の総距離は60km。小さな渡船やフェリー輪行も楽しんで、すごい密度になりました。父親的には子どものがんばりと好奇心に大きな拍手を送ってあげたい!

それでは、おやすみなさい。

そして、明日も旅は続きます。

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