九州の離島、目指すは「壱岐島」【ツールド冬休み】壱岐島編(その1)

ツールド×旅Life

プロローグ

個人的な感覚ですが、旅をするなら「冬」。

ロードバイクに乗り始めてからわかったことで、体質的に「暑いのが苦手」。あと一人旅が基本なので「できるだけ人の少ない時期」がいい。そしてフォトライドも外せないので「空気が澄んでいる季節」も大切。ということで、今回も冬の旅に出てきました。しかも久々の【1泊2日の宿泊旅】です

2月は祝日が多くて、タイミングが合えば旅に出やすいシーズン。そしていざという時のため、私の旅の妄想ノートはいつでも埋めてあるので、思いついたら即行動。考えた翌日には出発していました。

余談ですが【思い付き】と【綿密な計画】。自転車旅にどちらが大切かといわれると【思い付き】だと思う私。綿密に計画を立てて迎えた「予定の日」が雨だったりすると悲しすぎる…。私の場合、思いついたその日にまずは翌日の天気予報をチェックして、「晴れ」ならば迷いなく翌日スタートします。

そんな私の今回の行先は【壱岐】または【壱岐島】。九州は長崎県の北東に浮かぶ離島です。ちょうど対馬と九州に挟まれる位置ですね。

【壱岐】と聞いて名前や位置がわかる人は関西では少ないように思います。現に私の周りがそう。
でも私にとっては思い出深い島。というのも、高校時代の修学旅行先がここ【壱岐】なのです。

あの頃、周りの友人はTDLや信州スキーに修学旅行に行ってるのに、なぜ我々は名前も知らない離島に連れていかれるのか…と行く前は不満だらけでした。まあ、お上品とは言えない男子校だったので、先生方は我々を島に閉じ込めておきたかったのかもしれない…と今になってはわかる気もする。とはいえ、行ったら行ったでとても楽しい思い出ばかりだったのですが。(笑)

さて、この約30年前の甘酸っぱい思い出は、今この目と心にどう映るのか。それを確かめたくて、新幹線と船を乗り継ぎ【ツールド冬休み】に出発です!

九州へは新幹線輪行で。

まずは【新幹線】で【新大阪~博多】への移動となるのですが、今回は輪行旅のノウハウも少し挟んでみたいと思います。

新幹線輪行の場合はできるだけ移動コストを抑えるのもテーマ。正攻法では【早割りきっぷ】となるのでしょうが、思い付きで翌日旅に出るような人間には縁のないサービスです。それでも自転車旅人に有利なサービスはきちんと存在しています。

それは、旅行会社が販売している【企画型旅行商品】。「新幹線チケットに、施設の入場券や現地で使える金券がセットになっている(=旅行商品の体をとっている)」というもので、執筆段階で新大阪~博多の指定席が【片道15,280円⇒片道8,600円】と約半額になってしまう優れもの。また商品によっては「旅行前日まで購入可」!。しかし注意点もありまして、それは【あらかじめ指定した便にしか乗車できない】ということ。その場合、乗り遅れても振替はきかず、切符はただの紙切れになってしまいます。それだけは決して忘れないように…。また特定の便だけしか選択肢にないのも注意点です。主に早朝・深夜便に偏っています…だが、それがいい!!

ということで、今回はJTBさんの【トクトク!ひかり・こだま】を購入。チケットは【みどりの券売機】で発行できちゃうので超便利です。…という長い前置きでした。

そんなチケットの手配を含めて、思いついたその日に旅の準備を整えます。移動が長いので多少の夜更かしも車内でリカバーのつもり。

そして、翌朝5:00。最寄り駅で新大阪行きの電車を待つ私。日の出前の駅の雰囲気は独特です。旅が始まるワクワク感が高まってくる!

6:06新大阪発~博多行の【ひかり591号】。この始発便、実は自転車旅のおなじみ便だったりします。岡山や福山にもこの子が連れて行ってくれたなあ。なので「おはよう!ひさしぶり!」とあいさつです。

新幹線輪行のノウハウとして【指定席+特大荷物スペース】の予約は必須です。JRの公式アナウンスとしては「自転車は特大荷物にあたらない」とされていますが、普通席ででっかい輪行袋が及ぼす一般のお客さんへの迷惑を考えると、自転車旅人としては【予約必須】と考えます。ちなみにJTBさんの予約システムはきちんと【特大荷物スペース】が押さえられるフォームなので便利すぎ。

あと、細かいことですが【朝食は前日に用意しておく】ことも大切。早朝は在来線駅の売店が開いていない。新大阪駅ではわずかに開いているが混んでいる。さらに車内販売はない(執筆現在)。というナイナイ三拍子がそろっているので、当日買い漏らすことが多いんですよ。というのは実体験から。

これが例のチケット。前日の23:50までネット予約できて、当日【みどりの券売機】で発行できるんですよ。便利な世の中になりましたねー。でも、表記の便限定ですので改めてご注意を。

そして、遠方に行けば行くほど車内での時間を持て余すのですが、ここは【思い付き旅】の本領発揮で、この日の【旅の行程】を車内で調べて組み立てていくのです。このアドリブ感がなんとも好き(笑)。スマホを見ながら手持ちのミニノートに略地図や行程、立ち寄りポイントなどを書き込んでいきます。

新幹線に揺られること約3時間。しっかり旅の計画を練り終えたところで、博多駅に到着しました。

しかし博多ですら中継地点。ここから博多港に出てフェリーに乗らないといけません。港までは約3km。新幹線着が9:19、壱岐へのフェリー出発が10:00。この40分で「自転車を組み立て⇒3km走って⇒乗船手続き⇒出航」。いきなりギリギリ勝負です。

そして、大体こういう時にいつも失敗するのが私の旅の常…。今回も例にもれず【乗船場所がわからない問題】発生!。港っていくつかの接岸エリアに分かれるのでわかりにくいんですよ。さらに博多港は狭いのに航路が多い。なのでgoogle先生もお手上げ。そのへん歩いている人を捕まえて「壱岐へのフェリー乗船どこですか!?」と尋ねまくります。

そんなこんなで、旅客ターミナルにたどり着いたのが出航10分前。私以外の人は全員乗船済み。受付のお姉さんに「間に合いますか??」と尋ねると。「大丈夫ですよー。」と喜んだのもつかの間。私「自転車も載せます。」、受付嬢「輪行袋に入れてもらわないと無理ですねー。」

おいっ!!いや、もう5分前ですやん!?とかツッコむ時間さえ惜しいので、急いで外へ戻って【とにかくタイヤ外して輪行袋に詰め込んで、乗船ゲートにダッシュ】です!うん。鹿児島行きのときもこんなかんじだったなあ…。

ともあれ、10:00ちょうど。すべてのフェリー関係者に白い目で見られながらギリギリ乗船できたのでした。

フェリー輪行で島へ!

汗だくですわ。もう。(笑) 

移動や乗り継ぎの時間がほんとに読めなくなるのが、自転車旅の醍醐味?でもあります。車と違ってあちこち余計に行けちゃうのと、旅先での乗り場やチケット購入の仕組みがわからずに時間をロスすることなども原因なんでしょうね。なにせトラブルには恵まれます。

ということで、定例イベントを無事にクリアして、あとはゆっくり船旅です。輪行袋の向きと形がめちゃくちゃなのは、前述の詰め込み作業の結果です。動かさないので島までこれでいいや。

さあ、優雅な船旅の始まりです。初めての船では【船内探検】が何よりも楽しみ。いろんな船に乗ってきましたがどの船も特徴があっていいんです。博多港~郷ノ浦港の航路は約2時間30分。カーフェリーではありますがこの船は休憩場所としての2等船室がメインの造り。この日は世情からか旅行客はほとんどなく、トラックの運転手さんと地元の方が中心でみなさん慣れた感じで過ごされていました。

それでは私も荷物を置いて、ゆっくりしよう。ちなみに自転車乗りは私だけの模様。ということはおそらく島でローディーに出会うことはないでしょう。うん。一人旅の雰囲気が色濃くなってきた!!

船の軌跡を、ぼーっと眺めながらゆっくりするのが好き。

博多港がどんどん小さくなっていきます。旅感があっていいなあ…。ちなみに東シナ海は瀬戸内と違って、そこそ揺れます。船酔いはしないタイプなので気になりませんが。

フェリーのカップ麺が、スーパーのそれよりも美味しいのは何故なんだろう??とか言いながら、ブランチ代わりの補給。これもお決まりのパターン。

乗船時に焦って握りしめた跡が残る、しわしわのチケット半券。こういう記録も旅の出来事を如実に語るアイテム。(笑)

そうそう、この壱岐航路のフェリー。ゴンゴンゴン…といういつものフェリーのエンジン音がしなくて。すごく静か!なんでも、そういう特別仕様の推進機だそう。これには少し驚いた。

船内をウロウロして、カップ麺食べて、潮風に吹かれて、しぶきをかぶって、昼寝して…などなど、まったり過ごしていたら、いよいよ目的地たる【壱岐島】が見えてきました。ここからワクワクモードへ切り替わっていきますよ。

ちなみにこの時気づいたのですが、甲板に固定した輪行袋。波の飛沫とそれを乾かす強風で真っ白に塩吹いてました。金属パーツとか露出してなくてよかったあ。

70mm望遠側(APS-C)で撮影。あ、旅には必ずカメラを携行するスタイルなもので。機材はSONYのミラーレス機。F4通しの16-70mmが基本です。

そんな私は灯台も大好き!広々として気持ちよさそうな立地だ!あそこって行けるのかなあ?とか思ったり。

さあ、満を持して、いよいよ【壱岐 郷ノ浦港】へ到着しました!!

昨日の晩思いついて、朝に大阪を飛び出して、お昼過ぎにはもう東シナ海に浮かぶ離島についているわけだから、我ながら自分の行動力がコワイ…。というか、手配から到着までを可能にする文明もすごい!大阪から6時間で来られるわけだ。

下船は焦る必要がないので、ゆっくり最後を選択します。でっかい輪行袋でほかのお客さんに迷惑をかけたくないですし。

旅客ターミナルは思ったより大きくて綺麗。この郷ノ浦港が一番大きな玄関口になっているようですね。旅行者向けの表示や離島カード(執筆時は配布停止中)があったりします。

数少ない旅行者には卒業旅行と思わしき学生さんのグループが。「さっそくブリ食べに行こ♪」と女子がアピールしていて微笑ましくもあり…って壱岐のブリは有名なんでしょうか。私の事前情報には乗っかってこなかったのですが…。

それでは、人っ気がなくなったターミナルで落ち着いて輪行解除です。というか、落ち着かねば放り込んだ部品が取り出せません。中でややこしいことになっておられる…。

乗ってきたフェリーは、今度は博多に向かってお客さんを乗せこみます。この船首がガバッっと開くのってすごいですよね。これで沈まないわけなので、どういう構造なんだろう。ともあれこのギミックを見ているのはキモチイイ。

よし。バイクの組み立てはOK!!

季節は2月。寒いだろうという予想で、装備を整えてきましたが…暖かい…いや、暑い。春秋ウェアで十分なくらいの気温。そして何より天気が【晴れ】。つまり最高の旅日和のもと、いよいよ【ツールド冬休み 壱岐編】がスタートします!

つづく

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