ロードバイクで「福知山線廃線敷」を探検!(その1)

自転車×日記

冬のライドを考えるのは結構難しい…。山の方は積雪&凍結が心配で遠慮しがちだし、日の出&日の入りの時間は短くてロングにも億劫になってしまいます。なので、冬は半日くらいのライド構成が中心になるんですが、なにかテーマをもってないと単調になってしまって、意味なく嵐山に行ったりとかしがち。(笑)

そこで日ごろからライドテーマを探してみたりしてるんですが、今回は「廃線跡」をテーマに走ってみたい!と思いついたので、冬のある日にラレー君を駆って【福知山線廃線敷】に行ってきました。

と言いながら、いきなり【池田城跡公園】の写真から。

自宅が大阪北摂なので、<茨木⇒箕面⇒池田⇒川西⇒宝塚>という山沿いルートになるんですが、せっかくだから途中に何か挟みたいな…と走りながら考えて、思い付きで立ち寄ってみたのがココ。

池田市といえば、ロードバイク界隈だと【五月山ドライブウェイ】がメジャーですが、ちょうど五月山のふもとにこの【池田城跡公園】があります。

観光協会によると「室町時代から戦国時代にかけて、池田市域一帯などを支配していた地方豪族池田氏の居城跡地」だそう。池田市の池田氏…そうだったのか。

自転車は当然進入禁止なので、きちんと門の外に止めて園内には体一つで入りましょう。

池田市によってきれいに管理されている公園で、美しい庭園と2階建ての小さな天守があります。
この日は天気も良くて、朝から高齢者の方々がベンチでのんびりされていました。なんだか平和な感じです。

街より少し高台となる天守からは池田~川西の市街地が見下ろせます。
旅ライドで自然の風景を楽しむことが多いので都会を見下ろすのは何か新鮮。

カワイイ門と城壁。コンパクトにまとまった城跡公園です。写真にはないですが記念品などを置いた売店もありましたよ。

市街地の中に、昔の風情を残した空間があるとついつい立ち寄ってしまいますね。

こういう時間はライド前の「前菜や食前酒」といった感じで、挟むとその後もまた楽しくなります。

ちなみに、池田市街には【楊谷寺】や【出雲大社】の出張所??があったので、ちょっとびっくり。
池田って神社仏閣の支店が多いのでしょうか。

宝塚に入ると、このルート恒例の補給基地に立ち寄りです。100均で美味しい焼き立てパンが食べられる【yakitatei】さん。

ここの一角は雰囲気もおやれで素敵なんですよね。さすが宝塚。グループライドの方はここのオープンテラスでパンとコーヒーをたしなまれるのがオススメですよ。

「ちくわ揚げパン」「ベーコンコーンパン」「アップルクリームデニッシュ」。タンパク質&糖分&塩分の素晴らしいバランスだ。そして、これで300円というコストパフォーマンスがすごい!

それでは、テイクアウトしたパンをサコッシュに入れて先へ進みましょう。

自宅から約30km地点。約90分で目的地【福知山線廃線敷】の入口に到着しました。風情などはひとまずおいといて、わかりやすい看板ではありますね。

そうそう、注意点もあります。ここにアクセスするためには【国道176号線】沿いを走って、かつ横断することになるのですが、この国道の交通量が多く路側帯がない。そして横断場所には信号がない。たどり着く直前に、かなりスリリングでリスキーな経路を行くことになりますので、ご注意ください!

事前情報では、入口と出口に仮設トイレがあるということでしたが、思ったよりキレイでした。フェンスで覆われて基礎もあるしっかりとした造り。そして、廃線敷に入るとゴールまでトイレはありませんのでここで済ませておきましょう。(なお、近隣にコンビニ等もなかったように思います)

それではここで【福知山線廃線敷】についての概略を。

この区間は、はるか明治時代の蒸気機関車の時代から1980年代まで運行されていた歴史ある路線です。現在の福知山線はトンネル化されていますが、当時は渓谷沿いを走るルートだったため、景観がとても良い区間となっています。

【JR生瀬駅】がスタート地点、渓谷に沿って【JR武田尾駅】を目指す、約5kmの道のりがこの廃線敷ルートなのです。

他の方の過去のブログ等では「そもそも私有地なので進入禁止」や「自転車は禁止だった」などの情報もありますが、2016年にJR西が【自己責任のハイキングコース】として整備・開放してくれて現在に至ります。地元のハイキングの名所にもなっているので、今では大手を振って入ることができますよ。

そして肝心の【自転車】ですが、これも他の方のブログに「自転車進入禁止のテプラがあった」などの記載があったのですが、実際に現地で確認すると「記載なし」(執筆現在)。おそらくですが、注意書き看板が新しいものだったので、看板とあわせて記載項目も更新されたのだと思います。

とにかく現地では【自転車進入禁止】の表示は確認できなかったので、おそるおそるお邪魔させてもらいました。

入ってすぐはこんな感じの路面です。今日はグラベルロードのテスト機体であるラレー君で来ているので大丈夫。

走り出してすぐ、「そりゃあ保存したくなる廃線敷だ。」と納得せざるを得ない光景。ずっとこういう景観に沿う形で進んでいくことになります。

ちょうどいいところにベンチがあったので、スタート前に昼食タイム。パンがまだあったかくて嬉しい。

天気も良いし、暖かい。冬ライドであることをついつい忘れるくらいの素晴らしいロケーション。
ベンチに寝転んで、数分間ゆっくり。うん、最高の贅沢時間だ。

では、心と体の準備を整えていざ【福知山線廃線敷】ライド…もとい、ハイキングのスタートです。

スタートしてすぐわかったことですが、結局、「自転車乗れません!!」(笑)
というのは行程のすべてがまさに生の廃線跡。つまり【枕木とバラスト】なんですよ。この凹凸を自転車で進むことは不可能。

押し歩きするしかないので、あえて看板に書く必要もないわけですね。

しかし、ロケーションは素晴らしい!!

そもそも写真めあての私には、この区間をライドする必要がないわけなので、純粋に廃線敷エリアを楽しむことにします。

宝塚にあってこの自然感は意外。岩壁の迫力もすごい。川の流れに石灰質の岩石が多いのも頷けます。

ところどころに、鉄道の設備が残っているのも風情があって素敵です。この黄色い塗装とか赤さびとかが本当にいい感じ。

沿線を支える旧擁壁。本当に長い間、汽車と線路と乗客を守ってくれてたんですよね。お疲れ様。

そして現れた【旧トンネル】。この迫力と威圧感はスゴイ…文化財指定してもいいんじゃないでしょうか。あ、産業遺産でもいいなあ。

オッケー。自然のままが一番です。照明なし、受けて立ちましょう。

…これは、夜来たらアカンやつです。(笑)

注意書きに偽りなし。もう本当にまっくらなので懐中電灯が必須ですよ。(マジで)
幸いラレー君には前照灯が付いていたので大丈夫でしたが。

トンネルって「深い」って言いますよね。その意味が分かります。本当に【暗くて深い】。
ライトの電池が切れたら詰むやつです。でもこの冒険感は格別!!

出口が見えると安心感が…でも、うれしくなって駆け出すと枕木につまづいてコケるので要注意。

ところで、こういう写真って現役のトンネルでは撮れないので、フォトライダーとしてこの環境は本当に貴重だったりします。
多少苦労してでも愛車といい写真が撮りたい!という人は、ぜひ訪れてください。

進めば進むほど、鉄道の面影が濃くなってきます。このあたりになると自転車を押すのもつらい。(笑)
でも素晴らしいほどに【スタンド・バイ・ミー】感♪

開きなおった表示に好感が持てます。もちろん私は「それでいいですよ」派です。この区間を開放しているJR西さんには感謝の気持ちしかありません。

これぞ、まさに【渓谷】だ。先へ続く川の流れと、渓谷に沿う線路のあと。

”線路はつづくよどこまでも♪野を越え、山越え、谷越えて♪”が、ピッタリ当てはまる光景。

そして、またトンネル。区間内には5カ所のトンネルがあるんですが、どれも少しずつ形や特徴が違って本当に飽きません。

トンネル内に側道チックな何かを発見!!…私、いま、探検してます。って感じが好き。(でもちょっとコワイ…)

単線区間だったことがよくわかる絵。それにしてもこの薄暗さと独特の迫力はクセになるなあ。

自慢のグラベルキングでも、この廃線敷を走ることはできませんでした。グラベルロードの人もあっさりあきらめましょう。ここはサスがないと話になりません。(サスがあっても無理かも)

岩肌の荒々しさと清流のさわやかさのコントラストが、自然の厳しさを感じさせます。里山の「のどかな風景」とはちがう、ワイルドで緊張感を生む光景だから冒険感がすごい。

そして、また違った形の構造物。きっと上に何か通していたのだと思う。遺構感が良い。

そんなこんなで【福知山線廃線敷】を半分ほど進んできましたが、写真とテキストがくどくなってきたので前半戦はここまでとしましょう。

…ということで、後半に続く。

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