小さな離島「新居大島」60分ライド!

自転車×日記

7月某日。法事で愛媛に帰ることになったのですが、ただでは帰省しないのが自転車旅人の悪いクセ。

ミニバンの荷室にロードバイクを積み…式服のカバンにはサイクルジャージを忍ばせ…という感じで、法事の時間の合間を縫って【プチ離島ライド】に行ってきました。

【愛媛県 新居浜市】。知る人ぞ知る瀬戸内の工業都市ですが、ここに一つの離島があります。その名も【大島】または【新居大島】。正しくは「大島」なのですが、同じ愛媛県内にしまなみ海道でおなじみの「大島」があるので、最近ではあえて「新居大島」と表現しているようです。

新居大島へは、新居浜市内の黒島港から市営渡船に乗って渡ります。ダイヤはおおよそ1時間に1本。片道大人60円(小人30円)、自転車60円という破格の安さなので輪行袋は不要です。

乗船時間は約15分。瀬戸内の穏やかな海を眺めていると、あっというまに到着です。

ここで【新居大島】のコースプロフィールを少々。

新居大島は新居浜市の沖1.5kmほどの位置にある小さな島。面積は2.13平方km、海岸線が約9kmなので自転車で普通に走っても1時間以内に一周できてしまいます

歴史的には「村上水軍」の始祖となる村上義弘の生誕の地という意外とすごい背景があったり、近頃は移住したスイス人による「ジャックのパン屋」が有名だったりします。

個人的には祖母方の実家のある島なので、自分のルーツの島として一度上陸しておきたく、この帰省の折に生まれて初めて訪れてみました。

それでは、新居浜市街から15分、いよいよ【新居大島】へ上陸です。

午前7時に新居大島の港へ上陸。今回のTOPICはバイク2台体制であるということ。小6の息子がフルサイズのロードに乗り換えたので走りたい盛り。帰省の前に大島プチライドの話をしていたら自分も行く!となって今回同行という運びになりました。父親ローディーとしては嬉しい限り!

朝一番からクーラーが聞いている港の待合室。真夏ライドにはうれしい環境ですね。ここが新居大島巡りの拠点になります。中には新居浜のプロモーションポスターが。

港の入り口にある大看板では、新居大島の歴史・史跡とそこまでの所要時間(徒歩)が記してあります。情報が少ない島なのでこういう表示はとてもありがたいですね。

それれはいよいよライドスタート。ちなみに始発のフェリーを利用したので、黒島発6:45>新居大島着7:00。ここから約60分のライドで、新居大島発8:15>黒島着8:30の便で戻るというプチ離島ライドです。

まずは港町の探検から。小さな新居大島ではこの港の周辺がほぼ唯一の居住エリアになっています。まさに昔ながらの街並みで昭和の名残を感じます。懐かしい冷蔵庫や手作りの案内板がいい味を出していますね。

市街地といっても住民全体で200人を切る小さな町、というか村。街角の表情は懐かしくもあり少し寂しい感じもします。私はこういう景色が好きですが、小6の息子にとっては初めての光景。物珍しそうに周囲を眺めています。

市内で有名な【ジャックのパン屋】。前日予約制のパン屋なのですが、この日は臨時休業でした。移住したスイス人の店主によるヨーロッパ伝統のパンがウリなのでぜひ食べておきたかった。

失礼ながら幾分か寂れた感じがする港町。空き家も目立っているので新居浜市内の風景とはまた違った感じです。旅人としては旅愁を感じるものの、現実的な島民の生活目線に立つと高齢化や過疎化は看過できない問題でもあり…。

でもこういった風景が見られるとても素晴らしい場所なんです。ご夫婦による手釣りの船がとても美しい絵になっています。

この日の目的は島を一周すること。新居大島には舗装された周回道が整備されていて、自転車での一周が可能なんです。港には予約制になりますがレンタサイクルのお店もあるので、手ぶらで行ってもサイクリングが楽しめます。

ルートはなんとなく反時計回り。島めぐりは時計回り、湖畔めぐりは反時計回り、というのがサイクリングのセオリーですが、新居大島は景色の構成からなぜか自然と反時計周りになっちゃいます。

それにしても小さな登りをダンシングでこなしていく小6の姿が頼もしい。やはり体重の軽さはクライムのメリットになるんですね。親より軽快だ(笑)。

スタートして2kmくらいは岬巡りのコース。なかなかの絶景が多く、写真のために脚を止めながらゆっくり進んでいきます。小6も一丁前にマイカメラをもって景色の撮影をしています。

個人的にはソロライドが常ですが、こうやってバイクを並べるとグループライドの楽しさも少しわかるような気が。なんだか絵になってますね。

反時計周りで最初の2kmくらいが湾岸ルート、残りのほとんどは山道を行く探検ライドです。舗装はきちんとされているのでライドに不便はありません。標高は100m程度の島なのできつい登りはありませんが小さなアップダウンが続きます。

このレイアウト、旅人ローディーにとっては景色も道もメリハリがあって楽しい!!…のだけれど、観光目的のレンタサイクリストにはちょっとつらいでしょうね。

密林&ジャングルゾーンもたのしい!面白いのは山なのに「フナムシ」くんが地面をワサワサ走っていることや「カニ」や「トカゲ」が茂みから顔をだしたりしてくれるところ。自然がいっぱいだー!

島の峠にはもれなく絶景のプレゼントがついてくるのもうれしいところ。上陸後数十分でこんな景色にありつけるのは小さな島の大きなメリット。

普段の通行が少ないので路面には落ち葉や枝が散乱していますが、それでも舗装はしっかりしているのでとても走りやすい。パンクの心配も少ない良いルートです。

山間部の廃屋たちを発見。島の周回道に沿ってところどころに見え隠れしています。造りを見ているとロッジのようで別荘やレクリエーション目的で建てられたものだったのでしょう。こういう風景も島の歴史の一部分ですね。

島の周回の7割を占める山間&ジャングル地帯を抜けると、島の南岸に出てきました。奥に見えるのは新居浜の街。こういった景色の移り変わりを60分以内で体験できるのでいわゆるタイムパフォーマンスにとても優れた島です。

海岸に出るとゴールまでは1kmもありません。ゆっくり景色を撮りつつ港へ向かいます。

スタートからちょうど60分。帰りの船はすでに着岸していたので、バイクを降りることなく船内にそのままライドイン。なんて鮮やかなゴールなんでしょう(笑)。

帰りの船も15分。もう数えきれないほど港間を往復しているだろうフェリーにも貫禄がありますね。

上陸から本当に1時間で島を満喫して帰ってくることができました。法事の合間の早朝の時間帯、「ちょっとお散歩」程度の感覚で島に渡って一周してくるという非日常体験。これは本当に素晴らしい環境ですね。

自転車旅人としてもうれしいのですが、親としては小学生がロードバイクにまたがって島を一周した。という体験もまた貴重。彼なりに自転車旅の醍醐味を味わっていたようで良かったです。

余談になりますが、この晩【新居浜の工場夜景】を撮りにいきました。これも実家から数十分の距離。新居浜市の湾岸には住友系のプラントがあるのできれいな工場夜景が取れると思ってたんです。

というのが、この通り。素晴らしい景観です。うーん、スチームパンク最高!!!

普段は自然派ローディーでもありますが、こういう産業系の景観も大好物なんです。工場夜景ライドもいいものですよ!

そしてそのまま市内の銭湯へ。最近スーパー銭湯で疲れてしまう私には街の銭湯が最適です。小6の息子も冬の銭湯ライド以降、街の銭湯がお気に入り。このまま昭和のセンスを継いでくれ!(笑)

何度も書きますが、60分で島に渡って一周できてしまう環境なんてそうはないこと。愛媛はしまなみ海道にもっていかれてしまいますが、わがルーツ【新居浜市】は他に【別子銅山】もあったりとサイクリングにはとても恵まれた環境ですよ。興味のある方はぜひどうぞ!

ということで、帰省のついでに【新居大島】を一周してきた。というお話でした。

めでたし、めでたし。

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