『STIレバーが壊れた…。』R7000系105の左シフトは、初期不要でハズレの子が多いらしい…。
部品の精度なのか組付けの粗さなのかはわかりませんが、以前からダウンヒル時などにインナーからアウターへ入れようとしたら、レバーが動かない。ということがあったのです。
それでもすぐに症状が治るので「今日は機嫌がわるいのかなあ。」とか思ってだましだまし乗っていたのですが、ある日とうとう完全に動かなくなりました。
ワイヤー切れでもささくれでもなく、内部部品がおかしくなったようです。で、ネットであれこれ調べてたら、冒頭のような話が見つかったというわけ。
メインバイクのCervelo【青空号】は2019秋に完成車でうちに来たので、3年目に入っての故障です。しかたがないのでGIANT【流星号】に装着していたR6800系ULTEGRAのシフトを左右ごそっと移植したのですが、流星号もシフトをもがれてかわいそう…。
でも、105の左レバーの実勢価格は約11,000円とかなりお高い。3年越しの右レバーとのキャリアのギャップもなんだかなあ…と思って、Amazonを流し見していると、サードパーティーから怪しいレバーが出ているじゃあないか!
その名も【SENSAH】(たぶんセンサーと読む)。ワンレバーでブレーキ&シフトを兼ね、フロントは1~2s、リアは7~12sまでの豊富なラインナップ。そして安心と信頼の中華製(笑)、ウソかマコトかアジアのプロチームに供給されているとか、SRAMの技術者が設計に関わっているとか…
そして何より、左右レバーのセットで9,800円という破格のプライス!105の半額以下です。これは確かめないといけない…!
勢いのままポチってしまい、早くも翌日に到着したのがコレ。
箱に傷みがあるのは中華製品の魅力として受け止めましょう。しっかりした造りとシンプルでカッコイイパッケージに【SENSAH】のロゴが戦闘的ですねー。
開封~!おおおおぉーーーー!。質感がなかなかいいですよ。ビニール等で養生されてはいませんが、発砲樹脂にピッタリ収まっているのは、エアガンみたいな謎の迫力があります。
そして、この製品の特長であるワンレバーのシフト兼ブレーキがシンプルでカッコイイのです。
ちなみに、なぜかシフトインナーだけが付属。というか、すでに装着までしてある状態です。質も悪くない普通のワイヤーなのでこのまま使います。きっと純正に最適化してあるはずなので(笑)。こだわり派は、日泉あたりに組み替えてもいいかもですね。
他に付属品はないので、シフトのアウターと、ブレーキのアウター&インナーを別に用意しないといけません。このあたり、重要なのにAmazonに説明書きはありません。
幸い自宅に余り部材があったので、これを利用して組み上げてみます。普通に機能すればそれでよし。物足りなければ後から部材をアップグレードするのもアリですしね。
R7000系105との比較を少々。左が【SENSAH】で右が【105】。
外側から見る形状はとても良く似ていますね。ワンレバーのSENSAHの方が細身。クロモリバイクにはこっちが似合いそう。赤白のプリントは好き嫌いが分かれるかな。
内側から見た感じ。SENSAHの方が部品点数が少ない気がする。これはメリットかもしれません。
前から見た図。置き方が難しく伝わりにくいですが、SENSAHの方がレバーが外側にフレアしています。なので、ブラケットポジションから違和感なく握れるのはコチラだったりします。私的には。
書き忘れていましたが、仕様は【11×2s】。モデル名は【TEAM PRO】です。公式にはSRAM互換となっていて、結果としてシマノとも互換できてしまうという形ですね。
この【SENSAH】の製品はラインナップが充実している分、互換性も細分化されているので、導入をお考えの方はしっかり下調べをしてくださいね。シマノロードの11速コンポはこの【TEAM PRO】になります。(執筆現在)
そして、軽量化オタクの気にする重量ですが…ワイヤー付きのSENSAHの方が軽い!!片方12gの差で勝利しました!(笑)
それではさっそく組付けを…。
さすが安心の中華クオリティ。日本語が厳しい(笑)。シマノ製とは違い、仕様や注意書のシートなど存在せず、ただこのA4用紙1枚のみが同梱されています。
ということで、初めて自分でシフトレバーの交換をする人にはオススメしにくいですね。自分でシマノのレバーを交換したことがある人が、経験をもとに謎マニュアルを見ながら自己責任で組付け&セッティングする。という感じが現実的かと。
一応、大きな意味では【SRAM型】に分類されるので、SRAM派の人にとっては違和感ないかもしれません。まあとにかくペーパーからは情報は拾えません。(笑)
さっそくブラケットの固定ボルトの位置が特殊。レンチの角度が厳しいけれど、締め付け方的には好ましい位置。シマノ派はこれを見つけるところからスタート(笑)。
写真の角度が悪いですが、シフトケーブルの取り回しはハンドルバーの内側か外側かいずれかが選べます。ブラケット部に2通りのガイドが掘ってあるということなのですが、これって地味に嬉しいポイントです。
ブレーキラインはシマノと同じ取り回しですね。シフトラインに少し癖がありますが、仮組ではいい感じ。けど外側でも面白かったかな、と後になって思ってみたり。試行錯誤は楽しいですね。
ケーブルの微調整を終えたらバーテープを巻き巻き。モノトーンでマット塗装のバイクなので、いつもブルーやピンクのアクセントを入れていたんですが、今回は都市迷彩柄、これが意外とカッコよかった!
最後に変速とブレーキの位置出しですが、なんと変速のセッティングに苦労なし!すごい精度です。実は一番期待してなかったところが一番しっかりしています。新品効果なのかもしれませんが、私的には105よりも精度は高いと感じました。
完成ー!!ででーーん!
良い感じのモノトーンバイクが出来上がりました。バーテープがカッコいい!(シフトレバー関係ない)
ブラケットカバーには、こんなスリットが入っています。なんか滑りやすい方向。(笑)
やっぱりワンレバーはシンプルですね。シマノやSRAMは2本目のレバーに「羽根感」があったりしますが、【SENSAH】は指がかかる最小限の出っ張りだけ。上にも書いたけれどクロモリに似合いそう。
シフトの実演動画です。変速方法は【SRAM式】で、レバーを浅く倒して”カチ”でシフトアップ(重くなる)。レバーを深く倒して”カチ・カチ”でシフトダウン(軽くなる)。レバーをもっと深く倒して”カチ・カチ・カチ”で2段シフトダウン。という形です。右も左も基本的には同じ。
このあと実走に出かけたのですが、初めの方は戸惑います。インスタのコメントでいただいたのですが経験者いわく「幻の2本目のレバーを探してしまう」というシマノ派あるあるです。
といいつつも小一時間も乗れば体が覚えてくれます。操作はシンプルですがレバーの倒しこみ量を間違うとシフトが逆に重くなったり軽くなったりしちゃいますね。まあこれも慣れでクリアできるんでしょうが。
個人的に一番好きなのは「変速音」。シマノのそれが「カチッ。」という精密な音なのに対して、SENSAHは「パキッ!」という板的な音。これがなんかたまらない(笑)。ハブの音が大きい方がいい派の人にはこっちが好みだと思います。
というわけで意外に情報が少ない【SENSAH TEAM PRO】のレビューでした。
個人的には構造がシンプルで、変速の精度も高く、色気のあるシフト音があるこの機材は大好きです。
アフターサービスには期待していませんが、コストで考える人は現実的に導入してよろしいかと。
おしまい。
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