タイヤ交換インプレッション【SHUWALBE ONE TLE 25c】

アイテム&メンテナンス

久々のメンテナンス&機材紹介の記事です。

結論から先に書くと、「自転車旅人のタイヤには、チューブレス&セカンドグレードが最適かも。」というお話です。

私事ですが、2019年に2wayfitホイールを導入した時からチューブレスのみで運用を続けてきていまして、今回で3本目のチューブレスタイヤになります。

適当にググると「ロードバイクのチューブレスタイヤおすすめ○選!」などの販促記事は多いものの、実運用されている方のレビューがあまりなかったので、私自身の備忘録を兼ねた主観的な素人インプレ記事としてまとめてみますので、チューブレス派または検討中の方は参考にどうぞ。

【SHUWALBE 1(ONE) TUBELESSEASY 25c】

今回新調したタイヤは【SHUWALBE ONE TLE 25c】、いわゆる「無印の1(one)」。最上位グレードは「PRO 1」になるのでセカンドグレードです。って、その昔は「1」が最上位だったのに…。

導入にあたっての検討内容は以下の通りです。
①バイクの印象を変えたい(スキンサイドがいい)
②耐久性を重視(レースモデルは寿命が…)
③チューブレスシステムの継続(モデルは限定的になるけれど)
④でも出費は押さえたい(セカンドグレードもターゲットに)

ということで、手元に来た「無印ONE」君です。

【重量面】
重量は1本310gとカタログ通りで、2022年現在のTLRモデルとしては少し重めですね。先代のIRCよりも40g重く明らかに体感でも重さを感じます。けれど厚みが増している分、空気保持や耐久性には期待できそう。ちなみにここにシーラント40gほどを入れてますのでさらに重量増となっています。

【組付け】
組付けはレバーを使用せず、かつフロアポンプでビードが上がった!さすがシュワルベさん。正確な仕事をしてくれています。

【デザイン】
スキンサイドの色はオレンジ系で青空号に良く似合う♪
ちなみに過去にスキンサイドのタイヤを導入してきた経験からは…【濃い(茶系)】Panaracer GRAVEL KING>>>SHUWALBE ONE>>>Vittoria CORSA【薄い(白系)】となっています。

【ライドインプレッション】
交換後すぐなので多くは走っていませんが、UFOライン&石鎚山ライドで約150km&2,500mアップという条件下での感想です。新品補正もあると思ってくださいね。

体感上は接地感が薄く「コロコロころがる」感じ。タイヤの体積があってエアボリュームが大きいので嫌な硬さはない。同じ25c幅だけどIRCよりもタイヤハイトがあるので、ひと回りタイヤが大きい印象です。
・グリップ力はあるけれど「グリップ感」がない。だからコーナーはちょっと怖い。全体的に分厚いタイヤなので剛性が高くタイヤ変形が少ないからだと思う。でもやっぱりグリップ力は高い。
・上記2つの感覚は昔履いていた「PRO1」と全く同じ。今のタイヤの方が重量があるのだけれど乗り心地はすごく似ていて、トップグレードとの差はあまり感じない。おそらくこれが「シュワルベの乗り味」なのでしょう。

ちなみに、1年9か月頑張ったPRO1の最後はこんな感じでした。

5,000km走ってパンクは1回のサイドカットのみ(裏側からパッチで補修、非推奨)。トレッド面が削れてケーシングが露出していることに気が付いてIRCに交換となりました。しかしここまで傷みながらも、乗り味があまり変わらなかった。というのがシュワルベのすごいところです。

【IRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC 25c】

先代のタイヤは日本の誇るIRC(井上ゴム工業)の完全チューブレスタイヤ。(レディではない)

使用期間は1年3,000km。末期は度重なるパンクによってシーラント補充が面倒になっての交換となりました。

【重量面】
1本270g。「PRO1」と重量は同じ。ONEよりも40g軽い。完全チューブレス仕様のため本来はシーラント不要。この点でおそらく実運用上で最軽量タイヤになるかもしれません。けれど、私的には念のため30gほどを補充して保険をかけました。

【組付け】
IRCのチューブレス用のタイヤレバーを導入。これでなんなくはめることができました。さすが完全チューブレスだけあって精度が高い!
あと、重量が軽い分タイヤサイドは薄く、サイドカットには弱そう。非常に薄く柔らかいタイヤという印象です。

【デザイン】
トレッド面には杉目のサイプが入っていていかにもグリップしそうなデザイン、かつタイヤハイトが低く、内幅19mmのリムにピッタリ収まる感じで見た目がとてもレーシーなのは嬉しいところ。
赤のIRCマークのアクセントはバイクのカラーによっては邪魔になるかな。

【ライドインプレッション】
・しなやかで柔らかい。接地感があってロードインフォメーションが豊富。コーナーでは安心して倒していける。
ロードノイズがなく本当に静かに進む。快適感がすごい。
ただしタイヤの「おいしい時期」の寿命は短め。素材や特性からかタイヤの傷みが早く、寿命が近づくとパンクが頻発する。シーラントでごまかすが本来は不要なので対パンク性は高めてほしいところ。
・「レース用タイヤ」としては非常に高い性能がある。けれど旅ライドにおいては耐久性が重要だと認識させてくれたので、私の運用とはミスマッチでした。

おまけ シーラント編

タイヤごとに使用してきたシーラントも変遷しています。

初代の「PRO1」には、エフェットマリポーサの「caffelatex」を使用。初めてのシーラントでしたが性能は非常に良かった。というのも知らない間に穴をふさいでくれているので、5,000km走ってパンクが1回きりというのは、気づかないうちに小さな補修を自動で行ってくれていたということ。

このシーラントの特徴は、液体が泡々になる(小さなシャボン状の被膜ができる)ところ。ゴムボートの内部みたいにタイヤ内にたくさんの気室ができるような感じだと思います。穴が開いてもあまり噴き出さず瞬時にふさいでくれる印象ですね。

一方でタイヤ内で乾くスピードが速く、乾燥したゴムがダマになってタイヤ内でコロコロ言ったりするので、その都度掃除と補充をしていました。パンクのしにくさとメンテ頻度は一長一短ですね。

「FORMULA PRO」には、パナレーサーの「SEAL SMART」を使用。caffelatexの補充頻度が多かったので、500mlボトルでお買い上げ。薄いミントブルーのシーラントはなぜだかお洒落に感じます。

シーラントには細かなクルミ殻がブレンドされていて液体+個体でパンクを補修するという考え方。グラベルバイクやMTBの太目のタイヤがダートやグラベルで大きなダメージを負った際には効果的だと思います。ただこのクルミ殻がロードタイヤには邪魔でした。バルブコアから入れようとするとクルミが詰まってうまくいかない…。とはいえ、性能は十分。パンクはふさがります。

「FORMULA PRO」だけで500mlを使いはたしてしまったのは、パンク頻度が多かったこと+シーラント入れにたびたび失敗したから…というのも付け加えておきます。このモデルのクルミ殻なしver.があればいいのになあ。

そして今回のタイヤ交換で「ONE」に導入したのが、IRCの「チューブレスレディタイヤ用シーラント」です。わかりやすく潔い商品名に感服です。(って、FORMULA PROに使わんのかーい!)

選んだ理由は、大容量・固形物なし・安価という条件を満たしてくれたから。あとは商品名の潔さ。(笑)
性能・効果の方はこれから検証となりますね。補充少なく補修は得意、という結果になることを期待しています。

まとめ

結局、タイヤは シュワルベ~IRC~シュワルベ と戻ってきたわけですが、乗り心地や走りやすさの面ではIRCに軍配があがりますね。対してシュワルベには耐久性と安定感が期待できる、という感じ。

自転車旅人としては、シーラントでパンクの自動復旧ができて、万一の場合はチューブを使用してリスクを回避できるというチューブレスレディのシステムには魅力しかありません。

しかし、チューブレス(レディ)タイヤは、クリンチャーと銘柄は同じであっても、ビードの組付け精度や空気保持など製造法自体が違うでしょうから、性能と耐久性そして価格のバランスに置いてまだまだ発展途上のタイヤだと思います。

そんな中、チューブレスモデルがセカンドグレードにまで広がってきているのは興味深いところですね。自転車旅人としては「耐久性に重きを置いたチューブレス運用」を目指していますので、レースグレードよりも安価で丈夫さや耐久性のありそうな「セカンドグレード」に期待したいと思います。

というわけで、【SHUWALBE ONE TLE】の実走はこれからですが、次の交換の際に改めて結果レビューをしたいと思います。

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