ハンガー曲がり。そして交換へ<メンテナンス編>

アイテム&メンテナンス

本当に久しぶりのメンテナンス記事。バイクの維持管理に重要なことでもあるので、マイバイクを愛する人にはぜひ見ていただきたいお話です。

良ければこちらの記事と合わせて読んでいただくとよいかと思います。

☆☆☆【コラム】ロードバイクに長く乗る。ということ ☆☆☆

ことの発端は年明けの初詣ライド。滋賀県は東近江市にある「太郎坊宮(阿賀神社)」を目的地として、出発地点とした大津まで輪行した時に起こった出来事です。

大阪のとある駅で輪行準備を終えて、いざ輪行袋を肩に担ぐぞ!っていうタイミングでなんとベルトのバックルが外れてしまい、わずかな高さながら輪行袋が自然落下しちゃったのです。

一応正しい向きに落下したのですが、エンド金具に守られているとはいえリアディレーラーの状態が少し心配。(画像のハンガー部=リアディレーラー部)

ともあれ電車が来たのでまずは大津まで輪行したわけですが…。

結果は案の定。

打ちどころが悪かったみたいで「ディレーラーハンガー(以下、ハンガー)」がしっかり曲がっちゃっています。

このパーツ、日頃メンテをしない方にはなじみがないと思いますが、バイクのフレームとリアディレーラー(変速機)をつなぐ結構重要なものなんです。

フレームの先端にあるリアディレーラーは接触や転倒などでダメージを受けやすい場所なんですが、打ちどころが悪いとフレームごと「ポキっ」といっちゃう可能性がある。

そこで、やわらかいアルミでできた接続パーツ(ハンガー)を介して取り付けることで、万一の場合はハンガー自体が曲がるまたは破損して、大事なフレームやディレーラーを守ってくれる。という安全保険的な役割をもったパーツなんですよ。

なので今回は事故とはいえ、ハンガー君があるべき役割を全うしてくれたわけです。

フレームとディレーラーは無事ですが、取り付け部が歪んでいるのでこのハンガーを取り換えるというのが今回のミッション。

輪行やロングライドではハンガー曲がりのリスクが高いので自転車旅をされる方はパンク修理キットとともにハンガーの予備を常備されているはずですよね。(そうであって欲しい…)

さて、この10cmに満たないアルミ製の小さなパーツが「ディレーラーハンガー」です。

落下の衝撃をうけて変形&破損しているのが一目瞭然。ビス穴なんて完全に割れちゃっていますね。

ほんの数ミリの歪みですが、チェーンラインが歪むことで駆動系にストレスがかかってパーツ破損のきっかけにもなりますし、そもそも正しい変速動作ができなくなります。

最悪の場合、走行中にディレーラーが落ちてチェーンごとホイールに巻き込んで、フレーム、ホイール、パーツのすべてが帰らぬものに…ということも。

では早速交換していきましょう。

といっても、単純に新品パーツをボルトオンするだけのことなので、作業レベルは1です。

ちなみにこのハンガー、メーカー・車種・年式ごとに形がバラバラなのが困るんですよね。皆さんも自分のバイクのハンガーを調べておくことを強くお勧めします。

特に古いモデルやマイナーなモデルはメーカー欠品の可能性もあるので「あるときに手に入れておく」いうのは結構大切なことでもあります。

小さなパーツですが、ものによって1個1,500円~4,000円くらいまでの幅があるのも悩ましいところ。ネットで調べると様々なメーカーから互換パーツが出ていると思いますが、当然メーカー純正が一番安心です。

私のサーベロくんは2019年のモデルなのでサードパーティー製のものを購入していますが、現行モデルの方は行きつけのショップなどで容易に購入できると思います。

見てのとおり、車種ごとにぴったりはまるデザインになっているので「汎用」という考え方がそもそもない。こういったところを共通規格にしてくれたらいいのに…と思っちゃいますね。

とかぶつぶつ言いながら作業をしましょう。

古いものを外して新しいものを取り付ける。作業時間10分。以上、終了!

チェーンラインもまっすぐ。変速も元通りになって無事にも健康な状態に戻りました。

やってみると大したことないんですが、ハンガー曲がりの心理的ダメージはなかなかのものでしたね。

「予備がなかったら…」「パーツが(世の中に)なかったら…」旅の中断を余儀なくされますし、最悪の場合バイクに乗り続けることができなくなるので、やはり消耗品としてこういった一部の専用パーツはストックしておくべきだな。と個人的に思います。

ということで、ある日の出来事を備忘録としてまとめましたが、以下に気づきをまとめておきますのでよければ参考にしてください。


◆自分のバイクの車種専用のスモールパーツを調べておく。
⇒可能ならストックとして1~2個入手しておくとよい。

◆変速の様子がおかしいなと感じたら、ハンガー曲がりを疑う。
⇒どこかでぶつけたり、ダメージが重なったりして破損している場合もある。

◆ハンガーが曲がっていたら、即修理。
⇒アルミは破断しやすいので絶対に自分で曲げなおそうとせず、近くのショップに相談を。

◆「まあ大丈夫だろう」で乗り続けない。
⇒駆動系や接合部に無理なストレスがかかるので、バイクの寿命も縮まる。

◆何はともあれ「日常点検とメンテナンス」が最重要!!
⇒私の場合は事故で曲がったと思ってますが、ひょっとしたら前から徐々に歪んできていたのかもしれませんし、何にせよ早期発見&早期治療がバイクを長く乗る最重要項目です。


ちなみにここまで書いておいてですが、アルミ・カーボンフレームはハンガーを使用しますが、一般的にクロモリフレームにはディレーラー直付けで、曲がったらフレームごと専用工具で曲げなおすようになっています(←鉄の素晴らしさ!!)ので、クロモリの方は別途ショップにご相談くださいね。

それでは皆さんのバイクも健康で長く乗り続けられますように。

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