5月の祭典!【ジロ・デ・伊勢志摩2022】

ツールド×旅Life

プロローグ

5月だ!さあ、今年も「グランツール」の季節がやってきましたよ!

私的には3大グランツールのうち、国中がピンクに染まる「ジロ・デ・イタリア」が最も好きなレースなのですが、ロードレース観戦に熱を帯びるのと同時に自分のライド熱も高まってきたので、GW明けの日曜日に大阪を飛び出して行ってきました。名付けて【ジロ・デ・伊勢志摩】。5月にちなんだロングライドです。

大阪から伊勢までは自走で120kmくらいなので、射程圏内にあるのですが、今回は志摩方面へ足を延ばして、本場ジロ・デ・イタリアの地中海沿いの景色に重ね、志摩の眺めが美しいパールロードを走ることが目的です。なので、大阪から近鉄特急で伊勢市まで一気にワープ!

鉄道には詳しくないけれど、特急車両が大好きな私は「ビスタカー」にテンションアップ!二階建て車両だ!!そういえば子どもの頃は何故か「ビスターカー」って呼んでた気がします。

ライドの行程はこんな感じ。伊勢市駅をスタートし、伊勢~鳥羽~志摩と海沿いを進みます。目的地は「日本の登れる灯台16基」のうち、志摩半島に位置する【大王崎灯台】と【安乗崎灯台】。そして、ゴールは【横山展望台】からの夕陽に染まる英虞湾の景色。としています。

結果として【総距離100km、獲得標高1,300m、実走行時間5時間20分】というライドになりました。

第1ステージ お約束の【伊勢神宮 外宮】

朝8時52分。ビスタカーで到着したのが【伊勢市駅】。輪行でここに来るのは初めてです。

GW明けの日曜なので人混みを覚悟していたのですが、流石に8時台。人影はまばら。

とはいえ、ぼーっとしてると人が増えてくることはわかり切っているので、輪行を解除したらさっそく【伊勢神宮 外宮(げくう)】へ向かいましょう。駅前からいきなりの鳥居と表参道。駅から外宮さんはこんなに近いんですね。

そういえば、行きの特急で行程を練っていた時に、ふと「ポケふた」(マンホール)のことを思い出したので調べてみたところ、今回のライド経由地すべてに「ミジュマル」くんがいることがわかりました。せっかくなので各地の「ポケふた」もポイントにしてみましょう。

ちなみに伊勢のポケふたは【外宮入口正面のバスターミナル】にありましたよ。

それではライドの安全を祈願しに【伊勢神宮 外宮】、正しくは【豊受大神宮】へのお参りからスタートです。

高倉山の鎮守の森に鎮座する大きな鳥居。各地の神社では朱の鳥居を目にすることが多いのですが、この素朴で自然と一体化した存在感は独特です。

伊勢神宮の【内宮(ないくう)】に祀られる「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」のお食事をつかさどるのが【外宮(げくう)】となる「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」。ここがその正宮になります。華美に過ぎず素朴ながらも自然と一体化した社の姿には神々しさを感じますね。

「この旅が安全に終えられますように。そしてライドの食に困りませんように。」と小者感あふれるお願い事をさせていただきました。

第2ステージ 伊勢商人の街【伊勢河崎】

目的地は100km先の「志摩」なのですが、せっかく朝早くに来ているので、もう少し【伊勢】を巡っていきましょう。

今回立ち寄っておきたかったのが、この川沿いに位置する【伊勢河崎の商人街】です。

…ということらしい。とにかく歴史ある街ということですね。

地元の方がおっしゃるに「商人の街は大阪のイメージが強いけれど、本家本元の商人の街はここ伊勢の河崎だ。」と。確かに「お伊勢参り」は古くから日本人の風習として根付いているので商業の発達は必然でしょう。

この河崎エリアには商家や蔵を利用した施設が並んでいるのですが、どこも昔のままの建造物を利用しているので、中に入るとその歴史を直接見ることができます。カフェや雑貨店の中もこのとおり。

ひときわ大きな商家があったので立ち止まると【伊勢河崎商人館】の札が。これは入っておかないといけませんね。歴史・文化的な建造物はぜひとも自分の目で確かめておきたい人なので。

玄関がそのまま受付になっています。入館料は350円。初めに受付の方がこの商家の歴史と造りについて簡単なガイドをしてくれて、あとは存分に見て回ってくださいという放流スタイル。撮影も自由ということなのでテンションが上がります。

この商家は元々酒蔵だったので入口に大きな「白鹿」の商標が飾られていますが、これも当時ものです。

まさに金持ち商人の館。ふすまで区切られているけれど、この和室のスケール感と中庭は庶民の家ではないことが一目瞭然。

「箱階段」も贅沢の象徴のように感じますね。伊勢参りの往来による商業の発達に加えて河口すぐに位置する河崎では船での海運も盛んだったようです。

二階の造りも当時のまま。格子からのぞく町並みはもはや江戸時代の景色そのものです。

母屋を抜けると酒蔵が。ここは現在資料館として使われています。

興味深かったのがコレ。なんでも「日本最初の紙幣」はここ河崎で生まれたとのこと。

各商家から発見されている本物の紙幣。いわゆる「現ナマ」ですね。非常に興味深い資料でした。

まあ、これは当然ということで。

商人館を後に、河崎の商家街をポタリング。電柱がなければ江戸時代のまんまです。

こういう素敵すぎる建物がちょくちょくあるんですよ。トロッコレールが奥まで続く旧倉庫。万屋さんみたいなところでしたが、こういう当時の立て付けがそのまま残されているのはスゴイことですね。【伊勢河崎】気になっていた場所ですが、立ち寄っておいて良かった!!

休息ステージ 【伊勢うどん ちとせ】で昼食

伊勢市内には複数の駅があって、それぞれ伊勢神宮までの距離が近く、輪行ではこの【宇治山田】を利用する方も多いようです。今回この駅に立ち寄ったのは、とあるブログで有名なあるお店でお昼を食べたかったから。

それがココ、【まんぷく食堂】さん。おなか一杯になる「からあげ丼」で有名なお店です。地図を見るまでもなく、唐揚げの匂いに導かれて到着してしまいました(笑)。開店が11時というのは事前調べで分かっていたので少し早めに一番乗り!!

…のはずが、現場で事件は起きていた!!?

「ごめん…アルバイトが来てへんねん…」という店主のつぶやき。要はこの日の仕込みが間に合っておらず定時開店が難しい模様。一見(いちげん)さんの粘りはお店に迷惑をかけてしまうので、ここは潔く引くしかありませんね。「別をさがします!開店がんばってください!」と声をかけて【まんぷく食堂】を後にする私でした。

そんなことがあって【宇治山田駅】周辺でお食事処を探してポタリングしていたところ、このお店を発見!!【伊勢うどん ちとせ】さんです。

そういえば伊勢には何度も来ているけれど、「伊勢うどん」は聞いたことはあるものの、実際に見たこと&食したことはありません。じゃあ、ここで食べておくしかありませんね!

【ちとせ】さんの「伊勢うどん定食」。880円なり。

コレが伊勢うどんか!やっと出会えた想い人のようになにか感慨深いものを感じます。
わずかに出汁の感じがある濃口しょうゆを柔らかいうどんに絡めて食べるぶっかけスタイルなんですね。これは…うん…しょうゆ味の…柔らかいうどん…そのもので…ちょっと…濃すぎるかなぁ。

関西人だからか、うどんの基準は「かつお出汁とコシのあるうどん」つまり「讃岐うどん」。対して、まさに真逆のスタイルの「伊勢うどん」には正直戸惑った。ということで。
しかし、これが伊勢のソウルフードとして長年親しまれていることにはきっと理由があって、勝手に考察をしてみると、歴史的にも古くからお伊勢参りでにぎわう街における「ファーストフード」のスタイルがこの「伊勢うどん」なのだ!と解釈ました(笑)。

ともかくも濃いしょうゆ味に戸惑いつつも、お腹いっぱいにさせていただきました。【ちとせ】さんごちそうさまです!

第3ステージ 暦の神様【月讀宮】

早めの昼食を済ませたので、そろそろ伊勢に別れを告げようと思います。次のチェックポイントは【鳥羽】なのですが、ちょうど経路に気になる神社があったので立ち寄っておきます。

【伊勢神宮 内宮(ないくう)】の別宮【月讀宮(つきよみのみや)】です。「月を読む」つまり「暦」を司る神様ですね。神秘的な場所なんですが、なぜか「月にかわって、お仕置きよ!」のセーラー戦士を思い出してしまい、脳内BGMがミラクルロマンスな感じになってしまいました。

ここには最近装いを新たにされた四つのお社が祀られています。参拝順も決まっていましたので順序通りお参り。ちなみに伊勢神宮の本宮には時間的にお参りすることができないので、この日の伊勢参りはここで締めくくり。

第4ステージ 観光船と真珠の街【鳥羽】

よし!伊勢から山を越えて鳥羽へむかうぞ!…と勢いづいていた私は「伊勢志摩スカイライン」を自転車で走れると勘違いしていた人なのでした。

この門構え(?)を見て悟る、の図。これはアカンやつですね。そっか、ネット記事なんかで「伊勢志摩スカイラインヒルクライム」とあるのは大会の日だけ走れる、ってやつなんですね。

仕方がないのでGoogleMapで経路を検索して、県道37号「鳥羽松坂線」で鳥羽へ抜けることにします。ちなみにこの道はアップダウンもなく中々走りやすい道でした。ほかには湾岸しか選択肢はないものの伊勢~鳥羽へのオススメルートです

山間部を抜ける手前、海に出る前に突然現れたのが【伊勢志摩真珠館】。「鳥羽といえば真珠」のイメージがあるんですが、「鳥羽真珠」とは名乗らずに「伊勢志摩真珠」…変なとこが気になったので立ち寄ってみましょう。

入ってすぐ、まずいぞ!と。ここちゃんとした真珠宝飾のお店でした。汗だくサイクルジャージ野郎が気軽に入っていい場所ではありません。入口のウェルカム感にだまされた!

でもフロントの方は親切で、「今日は自転車でどこから来られたんですか」と気さくに話しかけてくださります。「大王崎までいくんですよー」「ええ!?本気ですか」とか変に自転車の話で盛り上がったのですが、どこから見ても「決して真珠のアクセサリーをお買い上げにならないお客様」なのでかえって心が痛い…(笑)

ここで受付の前に面白いものを発見!その名も【真珠ガチャ(1,000円)】。B級品の真珠を使ったアクセサリーで何が出るかはお楽しみ。とのこと。せっかく立ち寄った&構っていただいたのでせめてこれだけでもとハンドルを回す私でした。(ちなみに中身はきれいなパールのブレスレットでした。)

真珠館をあとに県道37号線を抜けると…見えた!海だ。こういう景色が変わる瞬間が本当に好き。これが旅だ!

ということで【鳥羽(とば)】に到着。神々の住まう伊勢と違って、人間の匂いが濃い。というかなんともあか抜けた「ザ・観光地」

以前来た時にはなかったこんな施設もできていました。この「マルシェ」っての最近の流行りですね。

そうそう!!これが鳥羽の風景です。岬にそってたくさんのホテルや旅館が並ぶ姿にどこか懐かしさを感じるのは、以前に来たことがあるから。ずっと昔の社員旅行、あれは楽しかった!

ここにも「ポケふた」があることは確認済み。スマホで調べようとしたらまさにその足元あった、というオチ。どうやら三重県のポケふたは全部「ミジュマル」みたい。県ごとにキャラが決まってるのですね。

鳥羽といえば「真珠」。そしてその拠点となる【ミキモト真珠島】。鳥羽湾に浮かぶこの島は真珠養殖発祥の地なのです。以前は船で渡っていた気がするのですが、こんなに立派な橋で渡れるんですね。
時間の都合上、立ち寄りはしませんでしたが私企業所有の島って秘密基地みたいでワクワクします。

うん。正しい鳥羽の風景。穏やかな湾内に特徴のある海岸と島があり、絶好のポイントに旅館やホテルが軒を連ねる近畿&東海屈指のリゾート地なのでした。

第5ステージ 牡蠣と真珠と絶景の道【パールロード】

ここからジロ・デ・伊勢志摩も本格的なロードレース?になってきます。鳥羽から志摩を結ぶ約20kmのドライブウェイ【パールロード】を目指しましょう!

鳥羽を抜ける前にはこんな看板が。昭和から続く観光地なんですね。ここからは鳥羽の入り江を見下ろす絶景のワインディングロードです。

唐突にでてきた看板。事前情報には引っかからなかったのですが【鳥羽竜】の化石が出た場所だそうです。

もっと大々的に宣伝してもよさそうなのに…という隠れ家的なスポット。化石のレプリカが露天の状態で置かれています。パールロードを行く車の大半がスルーしていくのが少し物悲しい…。

そんな化石発見地からの鳥羽湾の眺め。美しい!

気が付くと【伊勢志摩国立公園】のエリアに入っていたみたい。調べると「伊勢・鳥羽・志摩・南伊勢にわたる約6万haのエリア」らしく、どこからどこまでというのが正直わかりません。

【麻生の浦大橋】。ここから志摩に向かって約20kmの【パールロード】がスタートします。

湾岸沿いのルートなので、そこそこのアップダウンはあるのですが【パールロード】の名のとおり、時折とても美しい景色が飛び込んできます。鳥羽湾の風景は格別ですね。

真珠の国かと思ったら「牡蠣の国」でもある、鳥羽のもう一つの顔。個人的には昔の社員旅行での「牡蠣の食べ放題」が印象的。とにかくこのあたりは「食べることには困らない」ゾーンで、伊勢~鳥羽~志摩まで、ルート沿いには数百メートルおきになにかしらの海鮮のお店が並んでいます。海女さんでも有名ですし漁業&養殖が盛んなこの地域の特性ですね。

なかなかハードなパールロードのアップダウンをこなし、ひときわキツい坂を登れば展望台が現れます。ここは【鳥羽展望台】。ここで一旦レストを挟みましょう。

エメラルドグリーンと岬の緑に異国感を感じる美しい光景。それにしても高いところまで登ってきたなあ。

遠くに目を向けると、空の青と海の青がまた美しい。鳥羽が人気スポットなのも納得です。

観光地のお約束、ご当地ソフトクリームは外せませんね。特にこの日は天気が良すぎて暑かったので最高です。この「大内山ソフトクリーム」は三重県のいろんな牧場の牛乳をミックスして作られているそうな。

パールロードのもう一つの展望台が【面白展望台】。名前に期待するとおかしなことになるので注意。特に何かが面白いとかいうことはありません。きれいに整備されている展望台なんですが、鳥羽展望台ほどの標高もないので見栄え的にはもう一歩。

あとパールロードにはパーキングエリア的な展望駐車場がいくつもあるのですが、そこからの景色の方が展望台より綺麗ということもままあります。各駐車場で足を止て景色を眺めながら走るというのもパールロードの楽しみ方の一つですね。

第6ステージ 太平洋の守り神【大王崎灯台】

約20kmのパールロードを抜けて【志摩】に入りました。志摩といえば【志摩スペイン村 パルケエスパーニャ】も立ち寄りたいポイントなんですが、うかつに立ち寄ると「ジロ・デ・伊勢志摩」が「ブエルタ・ア・パルケエスパーニャ」になっちゃうのであきらめましょう…、ではなく実際には時間に追われています。

今回の目的地である「登れる灯台」は、大体が16時まで、というのがセオリー。そして志摩に入った時点ですでに15時と余裕がなかった。結局スタート地の伊勢でゆっくりしすぎたのが響いています。いつもの旅あるあるですね。

パールロードを抜けると市街地ゾーン。信号と交通量が悩ましいですが、先を急ぎましょう。
目的地が灯台なので、ふとした坂道から遠くの水平線が見えるのは嬉しいところ。

15時20分、大王崎のふもとに到着。ここから短いけれど岬へのヒルクライムをすれば灯台にたどり着くことができます。

志摩半島の東南端、太平洋に向かってそびえるのがこの【大王崎灯台】。古来から岩礁がある海域の難所として知られたこの場所で船乗りの安全を守ってきた歴史ある灯台です。

それでは受付で「参観寄付金300円」を支払って灯台に侵入しましょう。

灯台の入口が一般に解放されているのは日本で16基だけ。今までの自転車旅で山口県の【角島灯台】と島根県の【出雲日御碕灯台】を訪れているので、ここは私にとっての3基目にあたります。灯台への侵入は毎回ドキドキ&ワクワクします!

コンクリート製の長いらせん階段を上がっていくと…出口の先に水平線が!

おおーー!!さすがの眺望!

目の前には果てしなく広がる太平洋!うーん。世界が海でつながっていることを実感せざるを得ません。ここは外観のとおり360度ぐるっと回ることができるのでいろんな角度から海と街を眺めることができます。

…が、高いところに上ってから後悔するのが私の常。真下なんか見下ろさなきゃ良かったのに…。灯台の上って空に突き出ちゃってるから不安感がハンパない…。冗談抜きで脚が震えてきたので、降りちゃいましょう(笑)。

下から見るとカッコイイ!!登ってみるとコワイ!!これが【登れる灯台】なのです。

実際に「どこでもドア」があれば間違いなく入ります。これはこれでいいアイデア!秀逸です。実は三重県にはもう一カ所「登れる灯台」があって、ここから約15kmほど離れた岬にあるのが【安乗崎灯台(あのりさきとうだい)】なのです。

この時すでに15時50分。灯台受付が16時で閉まるので登るタイミングは逃してしまっています。「どこでもドア」…いいなあ。まあ、登れなくともこの後行くのですが。

大王崎は灯台に行くまでに参道めいた小道があるのが特徴。道幅2mもないくらいの路地に、食堂・おみやげ・真珠と色んな店舗が並んでいます。それだけ昔から観光地として成り立っていたんでしょうね。

はずれにある岬【八幡さん公園】からは太平洋が望めます。

外から眺める灯台。こうやって見ると「岬の守り人」感がありますね。

そして、こんなところに本日最後の「ポケふた」が!志摩エリアは太平洋岸まで来ないと手に入らないということですね。なかなかのハードルに感心します。

それでは大王崎灯台に別れを告げて、次の目的地に向かいましょう。

第7ステージ ビーチの先に立つ四角の塔【安乗崎灯台】

次の目的地は、登れる灯台のもう一つ【安乗崎灯台】。大王崎からは15kmほど離れているので、今度はビーチ沿いに進んでいきます。

ひたすらに長いビーチは【国府白浜(こうのしらはま)】。サーファーのメッカとして知られているようですね。波打ちぎわに浮かんでいるのは全部サーファーです。

あの先っちょに見えている灯台が目的地。それにしても美しいサーフですね。

砂浜沿いの裏路地を走っていくのですが、民家の通りに時折サーファーショップや宿が点在するのがこのエリアの特徴です。シーズンともなれば多くの車で渋滞しそうな予感がしますね。

裏道を抜けて岬の道路を駆け上がり…見えた!あれが【安乗崎灯台(あのりさきとうだい)】です。

志摩半島の北東を守護するこの灯台の一番の特徴は「四角い灯台」であること。じゃあ逆になんで灯台のほとんどは丸形なんだろう…と気になったりもします。

残念ながら入場時間を過ぎてしまったので、外観だけをゆっくり眺めます。本来であればこの奥へアプローチできたはず…しかし予定を狂わせたのはいつもの寄り道ライドのせい。自分を責めるしかないですね。

ここは自然公園にもなっているので、とても気持ちのいい風景が広がります。中に入れなくても十分満足できる灯台エリアでした。

時間は17時前。ゴールは夕陽に染まる【英虞湾(あごわん)】の風景なので、あの先の山にある展望台を目指してラストステージのライドです。

ファイナルステージ 高台から英虞湾を望む【横山展望台】

志摩半島の特徴的なリアス式海岸の湾【英虞湾(あごわん)】。ここの夕陽がとても美しいと聞いていたので、今回のゴール地に設定したのです。英虞湾を眺めるには志摩半島の北側に移動しないといけないので、志摩の市街地を貫くルートを走ります。事前調べでこの日の日没は18時52分、いつも遅れ気味の私にしては余裕を持って行けそうですよ。

ずっと海沿いを見てきたので、近鉄車両がなぜか新鮮です。幸いにして安乗崎からそんなに距離がないので、30分程度で到着できそう。

今回のゴール地は【横山展望台】。志摩市街の【鵜方(うがた)】からほど近く。標高もそんなに高くないので、あっさりゴールできると思ったのですが…。

…直前の200mはこの斜度です。15%を越えたら私には踏めませんので、ここからは押し歩きでした。

17時50分、【横山展望台】の駐車場につきました。ここからは徒歩で上がっていくのですが、幸いにしてスロープ。自転車を押して上がれそうなので、行けるところまで行ってみましょう。

…スロープを上がり切った先には大きなテラス。ここが目的地ですね。18時00分、堂々のゴール!!
なのですが、これでは少し画角が足りないので…

ここは思いっきり引いた絵で。整備された大きなテラスと眼下に広がる英虞湾の風景。素晴らしすぎる景色です。自分一人というシチュエーションも合わさって、まさに旅のラストにふさわしい!!

…と言いながら、実は大きなオチがあるのですが、事前調べで「志摩 夕陽 絶景」などで検索していて見つけたのがここなんです。私ここで「夕陽が見られる」と思ってました。実際に来てみるとどう見ても南向きで夕陽の位置ではありません。どうやらネット情報を鵜吞みにして間違った理解をしていたようですね。

そんなことだから「天空のカフェ」にも人ひとりいない(笑)。まあ、夕陽スポットならもっと人がいっぱいでゴール感がなかったのかも知れませんね。

せっかくなので、しばらくの間ぼーっとする贅沢な時間を過ごして、街中に戻りましょう。

祝勝会 至高の晩餐【海の食堂 大家族】

当初予定では【賢島】から帰る予定だったのですが、今回は時間にも余裕があるので手前にある市街地の【鵜方】で食事をしてそのまま特急に乗るという計画に変更です。

鵜方駅周辺をぐるぐる回っていると、駅ビルに海鮮のお店を発見。【海の食堂 大家族】さんです。ここではお酒も飲めそうなので迷うことなく突入!

「何名様ですか?」「一人です」「こちらへどうぞ」と、席に着いたらなんとメニューがない。戸惑っていると…

「当店にはメニューがなくて、金額を決めてもらったらそれに合わせて大将が料理を作ってお出しします。」
「おお!?」
「メニューは本日仕入れた魚介オンリーですが大丈夫ですか?」
「おお!!大丈夫すぎます!…が、いくらくらいが相場なんでしょう?」
「2,000~5,000の方が多いですね。」
「じゃあ、2,000でお願いします!(小者感)」

…というやりとりがあって、出てきたのがコチラ。

厚切りのお刺身盛り合わせ、ブリのホイル焼き、蒸し牡蠣(殻付き)たくさん、ハモのフライとサラダ、ブリのアラ煮…。…最高でした。もう本当にお腹いっぱい!

「あと、ごはんものもお持ちしましょうか?」
「スイマセン…降参です。」

というやりとりがあって、過去最高のライド祝勝会を独りで行うことができたのでした。
これで2,000円(飲み物別)って、凄すぎます。

【ジロ・デ・伊勢志摩2022】のまとめ

【海の食堂 大家族】で、お腹いっぱい&お酒ぐびぐびいただいて、最高に気持ちのいい状態で【鵜方】から19時台の近鉄特急で帰阪しましょう。

行きの特急でビスタカー2階にも輪行スペースを見つけていたので、帰りはビスタカー2階の最後尾席でで贅沢気分です。いい気分のまま目を閉じて…気が付くと【鶴橋】なのでした。

いろいろありましたが、今回の経路はこんな感じ。伊勢方面へは距離がちょうどよくて自走で来ちゃいがちですが、鳥羽・志摩方面へ足を延ばすには、距離が長すぎるし時間もかかる。そこで開き直って輪行で伊勢まで来ると、日帰りでも志摩まで十分楽しい行程が組める、ということがわかりました。


<旅の感想>
伊勢~鳥羽~志摩は、一続きのようでそれぞれ違った風情があって旅のしがいがある。
・パールロードのアップダウンは脚に来るけど、景色が良すぎてツライとは感じなかった。
志摩半島のコンテンツは豊富。登れる灯台・展望台など絶景どころが目白押し。
とにかく「食事」に困らないエリア。どこでも望みの海鮮が食べられる環境はスゴイ。
・近鉄特急車両での輪行条件がわかった。(一般車両・ビスタカーは輪行可能)

<旅の反省>
・伊勢で迷った際のタイムロスが響いた。安乗崎灯台に登れなかったのはこれが原因。
水分補給が課題。今回も志摩入りからタレた。頭痛とあくびは脱水の証
・サイクルキャップの有無の検討。頭は冷やした方がロングのパフォーマンスは上がる
・ネット情報を鵜呑みにしない。英虞湾の景色は素晴らしいが夕陽を逃したのは悔やまれる。

<旅の経費>

科目内容内訳金額
交通費往路近鉄 鶴橋~伊勢市3,170
復路近鉄 鵜方~鶴橋3,990
食費補給食ウィダー・カロリーメイト・羊羹ほか440
昼食伊勢うどん定食880
夕食おまかせコース+お酒3,200
間食ソフトクリーム400
入場料等伊勢河崎商人館350
大王崎灯台300
雑費お土産等真珠ガチャ1,000
総計――――13,730

移動費はともかく食費のウエイトが高かったですね。それだけ美味しいものが食べられたので良しとするのですが、DAYライドとしてはコスト高。


ということで、GW明けの日曜日に伊勢志摩まで行ってきました。というお話でした。

めでたし、めでたし。

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