プロローグ
Instagramを初めて2年。当BLOGを初めて1年。というキリのいいタイミングなので、今までの旅記録から「とっておき!」をアップすることに。
いつかの冬のコト。個人的に勤続20周年を迎えて少し長めのお休みをいただけたので「折角なのだから記念に残る良い旅をしたいなあ。」と思ったことが始まりです。
季節的には温暖な場所を目指したかったので、沖縄がいいかなあ…。なんて何気にネットを開いて旅行会社のページなどを見ていると…。
え!?石垣島ってこんなにお安いんですか??と目を疑いたくなる価格が。どうやらシーズンオフの沖縄方面って、実はかなりお安いようで。なんと、往復航空券+ホテルつき3泊4日のプランが<38,800円>って…姉さん、事件です!!(アラフォーネタ笑)
これは迷いなくポチらねば!と思うより先に、指先は無意識に右クリックを済ませていたそうな。
ということで、私史上「初」かつ「最高の体験」であった3泊4日の【ツール・ド・冬休み×石垣島編】がスタートするのです。
それでは、はじまりはじまり~
まずは石垣島について少々。
大阪~石垣島の距離は、なんと約1,580km。自転車なら100kmライドで2週間以上かけないとたどり着けない距離ですね。もはや世界旅行規模です。(意味不明)
大阪からだと関西国際空港(以下、関空)から石垣空港まで直行便があるのですが、この距離を2時間30分で渡ってしまうんです。飛行機ってホントにすごいですね。
先にも書きましたが、3泊4日の移動+宿付きで4万円以内ということですが、同じ値段なら新幹線で広島へ旅に行くのとほぼ同額になっちゃう。南の島って実は思っていたよりも現実的で身近な旅先なんだなあと改めて感心する次第です。
【飛行機輪行】に関するあれこれ
遠足の前日は寝られない子ではなかった…のですが、さすがに今回は中々寝付けなかった。「楽しみ」ってこういうことなんだ。
さて、北摂から関空は遠いぞ。朝5時台にはJRでの輪行をスタート、環状線と関空快速を使って8時15分に関空へ到着。電車の方が飛行機より時間がかかってますね。
関空についたら、まずはJTA(JAL系)のカウンターへ。無人券売機でチケットを発券して輪行袋をお姉さんにあずけ…あ、ここで預けずに自分で検査場にもっていくんですか、自転車は。へー。
輪行袋を案内された「搭乗員専用検査場」へもっていくと、係員の方が丁寧に取り扱い方を確認してくれます。
「自転車ですね。機内では寝かせておくことになりますが、どちらを上にされますか?」なんて、素晴らしい対応ですね。もちろんディレーラー側が上ということでお願いします。
ちなみにヘルメットとか着替えのバッグとか手荷物にしたくないものもバイクに括り付けて輪行袋にひとまとめにしています。あ、輪行袋は「ふつうの」です。私的には航空会社(JTA)を信じていますしこれで十分安全かと。(個人的な感想です)
そうそう、パンク修理のためのCO2ボンベは手荷物です。機内安全の基準からこうなってますが、確か本数制限があったはず。何本かは忘れちゃいました。
手荷物のX線検査では、このCO2ボンベが確認されたんですが「自転車用のものですねー」ってあちらもわかってらっしゃる。話がはやくスムーズです。
今回、こだわってJAL系の便を選択したのは、上記対応のとおり自転車輪行というニッチなリクエストに誠実に応えてくれるから。いわゆるLCCも検討したんですが、手荷物以外の荷物には別途料金(約5,000円/片道)がかかって結果的にコスト高になるのに加え、デリケートな荷物の扱いに安心できない部分もあったりしたので結果的にパス。飛行機輪行をされる方には、強くJAL系かANA系をおススメします。
航空機のチェックインまで大分余裕を見ているので、せっかくなので搭乗アナウンスまでロビーをウロウロしましょう。
飛行機や搭乗ロビーの様子は、昭和男子が飽きない要素でいっぱいなのです。
いざ、搭乗!!飛行機ライド
9時45分発 石垣行 JTA083便 が私の搭乗機。飛行機に乗るなんて、約20年ぶりですよ…。
楽しみにしすぎて、アナウンスがあってすぐに搭乗。私が一番のりです!(笑)
機内は空席もなく満員状態。平日便だけど、石垣行きって人気の路線なんですね。
しっかり窓際席をキープして、カメラもスタンバイしています。四十路男子は、一つ後ろの席の少年に勝るとも劣らない浮かれ具合です。
まず目についたのは、主翼先端のネコ…いや、あれだ「イリオモテヤマネコ」だ。そういえば西表島(いりおもてじま)は石垣島のすぐ隣ですもんね。
おお!モニターがオープン!フライト前の注意・説明が始まりましたよ。シートベルトも着用して、いよいよ離陸体制というわけだ。
ごおおおーー!!とジェットエンジンの唸る音。ぐぐぐっっ!と体にかかる加速G。うーんたまらん!
瞬間「ふわっ」と体が浮く感覚がしたら離陸した証拠。飛行機の影が地表から飛び立ったことを教えてくれます。
ここから2時間半のフライト。時間はたっぷりあります。何して過ごそうかなー(ワクワク感)
中年カメラ小僧はぴったり窓に張り付いているのですが、幸いにして天気も良すぎる!車窓ならぬ機窓(?)からの景色が良いことこの上なし。
なんと、本州と淡路島を結ぶ「明石海峡大橋」そして「淡路島」の全景がすっきり見下ろせています。
まるで神さまになったかのような錯覚。それにしても今まで汗をかいて幾度も走って来た淡路島がこんなに小さく見えるなんて。ある部分では自分が走ったルートを俯瞰して観察できるわけで、こんな経験ってまずできない。飛行機って、空って、スゴイ!(語彙力)
あぁあぁぁぁ!!「鹿児島」だーー!!ほんとに地図通りの形してるー!!
ってテンションあがってシャッター切りまくっている中年。横に座っていた方、スイマセンでした。
「桜島」もしっかり見えています。あの一帯がわずかに霞んでいるのはきっと桜島の噴煙なのでしょう。以前に鹿児島も2日間かけて旅したので、感慨もひとしおです。
鹿児島以降はずっと海しかみえないので、少し気分をかえて機内で旅の準備を進めましょう。
シートのポケットにはいろんな旅の情報誌が入っているので、ここでしっかり読み込んでおきます。というのも、石垣のイメージがなさ過ぎてまだルートも決め切っていないんですよね。
そうそう、機内雑誌って結構プレゼントページが充実していたりするんですが、スマホで情報とっておいて旅のあとに応募したら、何と当選して石垣島の特産物セットが送られてきたんですよ。というのは後日談。
機内ではキウイジュースやさんぴん茶のサービスもあって、あっという間に時間は過ぎていきました。
機体の角度が変わったな…と思ったら…
おおおおおぉぉぉーーー!! サンゴ礁だーーー!!
エメラルドグリーンか、ターコイズブルーか、とにかく瀬戸内とはまた違う、南国の美しい海の景色が眼下にひろがります。
ということは石垣島に到着ということですね。ほんとにあっという間だった。
主翼の先のネコはそのままに、その先の景色が変わりました。
ググぐ…ン!!と減速Gを感じて、ドンっ!!と着地。いよいよ石垣空港に到着です。
常夏の島、石垣島に到着
石垣空港に到着して、まずは輪行袋を受け取る必要があるのですが、これもしっかり「人→人」の手渡しになります。放送で呼び出してくれる親切対応なのもさすがJTAさん!
荷物受取を済ませて、ゲートをくぐるとそこには「おーりとーり八重山へ」の看板が。
英語でwelcomeとあるところを見ると「おーりとーり≒ようこそ」ということなんでしょうね。そして石垣島ライドと言っていますが、今回複数の島を渡るので、やはり正式には「八重山諸島ライド」になるのかもしれません。ともかく、八重山が私を歓迎してくれていたのでした!!
ところで、この旅の時は国内線のみでしたが、執筆現在は国際線の発着が可能になっています。きっと空港の写真も今とは違うはず、ということを付け加えておきます。
というわけで、当時の石垣空港は関空に比べるとずっとシンプルでコンパクトな空港。これはこれでいかにも南の島っぽくていいですね。
表に出ると、冬にしては異様に強い日差しと高い気温が出迎えてくれます。季節は2月、大阪は一番寒い時期なんだけど、この地の平均気温は20℃って、初夏じゃん。
旅のウェア選びは結構重要なので下調べは重ねてきたつもり。この旅でチョイスしたのは半袖の夏ウェアに日差し除けのアーム&レッグカバー+念のためのウィンドブレーカー。結果、この装備で冬の石垣島は完璧でした。
この島にロードバイクで来る方もいらっしゃるのでしょうがそんなに多くはないのかな。ぽつんと1基のサイクルラックがおいてあるので、少し寂しいながらもここで早速輪行を解除していきましょう。
【ツール・ド・石垣島】スタート!
いよいよ石垣島ライドのスタートです。ちなみに石垣空港の正式名称は「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」です。
ただいまの時刻は13時。思えば6時前に自宅を出ているので、移動には丸半日かかったということ。この日走れるのはあと半日か。うん、頑張ろう!!そして、楽しもう!!!
先に石垣島の簡単な情報から。
先にも書きましたが、大阪から約1,580km。東シナ海に浮かぶ石垣島は沖縄県の島になります。この石垣島を含んだ大小7つの島を指して「八重山諸島」と呼びます。
沖縄本島よりもずっと台湾に近く温暖…というか亜熱帯気候で、面積は約220㎢。これは大阪市の面積とほぼ同じくらい。石垣島1周ルートが約120kmなので、頑張れば1日で回ってこられる距離ですね。
南北に長い島ですが、南部の石垣市を中心に都市エリアが形成され、北部には豊かな自然があふれています。
今日のルート構成ですが、地図でいうゴール地点が石垣島の中心地でありホテルのある場所。目指したいのは北西部にある「御神埼灯台」なので、まずは空港からホテルへ直行し、荷物を置いたら身軽になって灯台を目指します。
結果的には77km、3時間半も走れたのだから我ながら大したもの。初めての石垣島の風景と空気を十分に感じながら、充実したライドとなりました。
そうそう、今回の旅の相棒は私の初代ロードバイク GIANT TCR composite くん。飛行機輪行ということで当時新車だったCerveroくんを躊躇した結果、乗りなれた古い付き合いの相棒が同行してくれたというわけです。
荷物はリュックと大型サドルバッグ。基本的に宿を拠点に走り回るつもりなので、実際のライドはサドルバッグのみと非常にコンパクト。拠点を持った滞在型のライドは身軽になれるのがメリットですね。
空港を背にペダルをこぎだすと、暑く湿った風が通り抜けます。心なしか南国の匂いのようなものも混じっているような。照り付ける太陽と街路樹の姿からもシンプルに「暑い!!」。やはりここが石垣島であることを認識させてくれます。
名も知らぬトロピカルツリーの木陰で小休止。広々とした田園風景と緩やかな丘。
飛行機からはサンゴ礁の海が見えていたけれど、島の表情は豊かで想像以上の情報量です。
旅行ガイドやネット情報では、たとえばダイビングやシュノーケリングなどの海のアトラクションやトロピカルフルーツなどのリゾート感あふれるイメージが先行しがちだけれど、それは本当に一部だけを切り取ったものだということがよくわかる。
少なくとも、空港から石垣市街に向かって走っていると、田畑や牛舎、工場や商店などこの島の生活感を肌で感じることができます。そう、これが旅。いわゆる「旅行」じゃなくて私だけの「旅」なのですよ。
空港ですでにお昼を大きくまわっていたので、おなかはペコペコ。普段のライドだったら、国道沿いに出ればコンビニでもチェーンレストランでもあるのだけれど、石垣島は都市部以外は素朴な生活の街。
簡単にお店は見つからないのですが、ルート上に現れたこのお店に立ち寄ることに。
看板には「マエザト商店」。個人商店のようですが、なにかしら食料品は置いてあるだろう…と思って入店すると、ラッキーなことに食堂が併設されていました。扉を隔てて「マエザト食堂」ということです。やった!
こういう地域の大衆食堂は大好き。気取らず自然にならぶご当地のメニューが嬉しいじゃないですか。
沖縄エリア特有の「チャンプルー」やご当地の「八重山そば」もあって迷いますが、まずはおなかをいっぱいにしたいので今回のランチは「フーチャンプルー定食(700円)」に。
「ふー」は読みのとおり「麩(ふ)」のこと。湯葉にも少し似たもちもちとした食感の麩と野菜を甘いソースで炒めた料理です。濃い目の味で舌や胃袋も早速南国に染まってきましたよ。
付け合わせのお味噌汁を…と思ったら、なんとミニ八重山そばじゃないですか!なんて嬉しい。予定していたご当地メニューを1回の食事でコンプリートしちゃいました。
結局ふりかけなかったんですが、このご当地香辛料「ビパーチ」が気になるところ。
そして箸袋をみて思い出す。そうだ沖縄といえば「泡盛」!…けれど、飲酒運転はできませんからね。夜の楽しみにとっておこう。
古き良き海辺の集落【白保地区】そして【白保海岸】
食堂を出て、改めて景色や空を眺めていると、どうやらすぐ近くが海のよう。潮風っぽい何かを感じたのは間違いじゃなかった。
自転車を押しながら、小さな集落を歩いていくと、先に開けた景色が見え隠れしています。
どーーーーーーん!!!
うおおぃ!!
うーーーみーーーー!!! 海!!
初めて目の前にした石垣の海は、いきなりパラダイスでした。
カルチャーショック?だったのが、この浜。
はい、砂浜ではなくて「サンゴ浜」だったんです。軽石のようなシャリシャリ音がする不思議な海岸。サンゴ礁の海から運ばれて形成される南国特有の浜なんですね。
あとでわかったことですが、ここは「白保海岸」。なんでも北半球最大の「青サンゴ」の海で、人の手を入れずしっかりと保全してあるエリアだったんです。どうりで美しいわけだ。
季節が季節なら、この一帯はダイビングやシュノーケリングの人でにぎわうそうですが、私が訪れたのは冬。(といっても初夏っぽい気候)なので、人っ子ひとりいない、まさに「プライベートビーチ」なのでした。重ねてラッキー!
白保海岸を有する「白保地区」。ここは昔ながらの集落が残る場所。
あえて観光地化されることなく、南国特有のおだやかでゆったりした空気で現地の生活の姿を感じることができます。
石垣島ではよく小さな鳥居を見かけるのですが、これはいわゆる「神社」ではなく「御嶽(うたき)」と呼ばれる現地の神聖な場所。なんでも神に仕える人だけが入れる場所で、一般的に参拝していい場所ではないのです。だから参道もないんですね。
説明書きも特になく、観光地でもない海辺の集落の姿からは本当にいろんなことを学ぶことができます。
石垣島。小学校で習ったのは台風が多いので石垣で家を守ったとか、その名のとおり石垣が多い島というところ。
そうやって教科書で覚えるのと、実際に現地で見て学ぶのは全然違う。文字にすると同じことなんだろうけど、少なくともこういう「体験」は人生において必要なことだと思う。
なんていう花なんだろう。とにかく南国には「ピンクの花」というイメージがあるけれど、それを裏切らない現実というものあったりして。
初めてのマングローブ【宮良川のヒルギ】
ここであまりゆっくりしすぎると、また旅の計画が後ろで詰まってしまう!ホントはもっと居たかったけれど大急ぎで宿の方向にハンドルを切ります。
ところで、地図上ではこの道「国道390号線」となっていました。沖縄の県道の間違いじゃないの?と思ったら、なんと石垣島→宮古島→沖縄本島をつなぐ(きっと海の上も?)一本の立派な国道でした。ちなみに、この390号線はよく考えたらわかることだけど、日本最南端かつ最西端に位置する国道です。
この大通りをまっすぐ進めば、石垣市街にある宿にたどりつけるわけですが…
ああぁあああーーー!
ま、ま、マングローブだーーー!!!
国道の橋から見下ろした景色がコレ。そして脇には階段もあるじゃあないですか。
もう、迷わずバイクを下りて、川岸に向かいます。
新しい発見と体験、そして学び。これだから旅はやめられないのです。
橋の上から見えたうっそうとしたマングローブ林も、下りてみると全然違う表情に。
マングローブは水中に根を下ろして水の中でも成長できる木。だから、自然保護を進めるためにマングローブの苗を植えよう。というのも小学校で習ったこと。でも、やっぱり違うのです。実際に見て触れるのとは。
ちなみにこのマングローブは「ヒルギ」と呼ばれています。おそらくは「ヤエヤマヒルギ」。Googlemapで見ると「宮良川のヒルギ」と出るので、有名な場所でもあるようです。
ここは河口なので、潮の満ち引きによってこのヒルギたちは水に隠れたり露出したり。きっとずっと水につかっているわけではなくて、ところどころで陽ざしをあびて乾いたり濡れたりしているのでしょう。でそうやって育っていくんだ、きっと。
そして、次の世代になるのであろう、新たな芽吹きも見ることができました。
石垣市街と【ホテル ベルハーモニー石垣島】
いや、だからとにかく進まない。見どころがありすぎて困ってしまう。
ちょっとだけ寄り道して、人工島に渡ってみようとおもったらコレ。橋の上に大きな地図。なんでも「サザンゲートブリッジ」っていうカッコいい名前までついてる。
で、海岸にはこういう景色が広がるわけで。
ホテルまではもうすぐなのにゴールする気になれない。景色に心を奪われるとはこういうことですね。
人工島の公園には素敵な木製の展望台。シンボルツリーに沿うように作られていて、なんとも雰囲気があります。個人的には「南の島のフローネ」を思い出してしまう。(知らない人ごめんなさい)
これが東シナ海…。日本の南の果てで、水平線を見つめ地球の大きさに心震わせ…ているような写真を撮りたかったというだけの自作自演カット。(笑)
ここまで遠かった…(距離ではない)
寄り道しすぎて、どれくらいビハインドを背負ったかわかりませんが、とにかく荷物を置くために一旦チェックイン。
今回お世話になるのは「ホテル ベルハーモニー石垣島」さん。チェックインして荷物を置いたら「夕方にまた戻りまーす」といって秒で飛び出していった全身タイツの中年に親切に対応いただきありがとうございました。
海岸沿いに西へ、【琉球観音崎灯台】
市街地を抜けて、島の西岸沿いに北上していきます。目指すは「御神﨑灯台」
都市部を抜けると自然が広がり、島の中央には小高い山がそびえています。頂上付近に見えている白い建物は「石垣島天文台」。明日はあの天文台から星空観察をする予定にしてるんです。
極彩色の独特な建物。日本というよりは台湾に近いからかな、と思っていましたが「唐人墓」という墓標でした。
昔、海難事故で亡くなった方のお墓なので、ここで手を合わせます。亡くなったのは台湾の人らしく、現地の神様の元でお眠りなっているんですね。
石垣で組まれた小屋。現地の建て方なんでしょうか。これといった説明書きもなかったので、住居なのか倉庫なのかわからないままですが、これも独特ですね。
唐人墓ほど近くにあるのが「琉球観音崎灯台」。高台にあるわけではないのですが、外洋の東シナ海に浮かぶこの小さな島では大切な航路の目印です。
旅先ではいろいろな灯台に立ち寄っていますが、全国共通であるのがこの「青看板」。
灯台の歴史や特徴が書かれていて勉強になるのと同時に、この看板があるとなぜか安心します。
灯台の足元からは岩間の隙間から小さなビーチに下りられるような…
小さな小さなプライベートビーチ。逆光で白飛びしちゃってますが、ビーチも海もきれいでした。
夕方に折り返して戻ってくるルートなので、ここから夕陽が見られるかも知れません。
西端の夕陽スポット【石垣御神埼灯台】
北へ北へ。街を離れていくと、島の自然が旅人を迎え入れてくれます。
先にも書きましたが、リゾートはほんの一部で、大部分は手つかずの自然。山だったり草原だったりジャングルだったり。島のありのままの姿を感じることができます。
個人的にはこのスケール感が石垣島なんだなあ。
そしてこの島にはたくさんの動物…正確には「家畜」…を見かけます。
それはきっと牛乳になったりお肉になったりするんだろうけど、この外洋に浮かぶ小さな島独特の事情なのだと思う。本州とちがう島の食糧事情は流通よりも自給自足が基本で、そういう点では、牛や豚や山羊、サトウキビにフルーツにいたるまで「必要なものとして」この島にあるものなのでしょう。それを風情、と括ってしまうのは失礼なのかもしれません。
ということで、目的地に到着しました。
ここは「石垣御神埼灯台(いしがきおがんさきとうだい)」。島の西端を守る白亜の灯台です。
ここにも安心の青看板。この灯台の特徴が一目でわかりますよね。これで私からの説明が不要になります。(笑)
先に立ち寄った「琉球観音崎灯台」と違って、ここは断崖絶壁にある岬の先端。
岬の先まで遊歩道があるのに加え、立体的な岩礁とあわせて「夕陽のスポット」として石垣島随一のポイントだそうです。
なのでここで夕陽を見たいのですが、ここへ向かってくるときにわかったこと。「田舎すぎて(失礼)街灯がない」という現実が立ちはだかります。
万一ここで夕陽を見た場合、帰路は真っ暗、まして知らない土地…となると、計画を改めないといけません。
仕方がないので明るいうちですが、岬からの景色を写真に収めておいて、夕陽はまた別に考えることに。
まあ、夕陽がなくても絶景ポイントであることに変わりありません。この広がり感と最果て感は本当にスゴイ。
夕暮れ近くになると続々と「わ」ナンバーの車が集まってきました。つまり観光客の皆さんですね。
ところで、時計を見て気づいたのですが、大阪と日の入りの時間が全然違う!2月の18時でこの明るさ。日の入りはなんと19時台。日本って広いんだ、そして長いんだ…ということをリアルに感じます。
なんとか頑張って、それっぽい写真を残しておきます。カメラの設定でごまかした「なんちゃって夕陽」です。改めて明日また見にこよう、とここで決意。
岬の牛たち。やはりこの島には動物が多いと感じます。私の仮説は前述のとおり。
自転車を止めるとなぜか集まってくる彼ら。自転車旅人が珍しいのでしょうか。
最果ての地でマジックアワーを眺め、1日を終える。
御神埼灯台からの帰りに、とある岸辺て撮った渾身の1枚。
マングローブの若木が一本だけ生えているという貴重なロケーション。生命の力強さを感じます。
夕暮れと相まって、海面にうつる影とのシンメトリーと海と空のグラデーションがなんとも美しく、素人カメラマンとしては、なかなかに満足な出来ばえの写真です。
先ほどの観音崎灯台で、ちょうど夕暮れすこし遅くのマジックアワーを見ることができました。
うん、十分以上の美しい夕暮れの景色です。ここから宿まではそんなに遠くはないので日が暮れても大丈夫。防波堤に腰かけて、しばらくぼんやり南の島の日暮れに付き合う私でした。
朝に大阪を発って、石垣島の西端で夕暮れを見ている…。不思議な感じですが、これを可能にしちゃう人間の英知ってスゴイと感じるとともに、少し怖くもあり。
でも、最高の一日となったことは確かです。
おぉ、おなかがへったーーー!!
と、当然なったわけで。宿についたら自転車を置いて「またすぐに戻りますー」といって飛び出していった私。きっとホテルの人は、この人何してるんだろと思っていますよね、きっと。
ホテルは石垣島の繁華街のど真ん中。このエリアは食べることに困りません。で、選ばれたのが沖縄代表のファストフードレストラン「A&W」です。
これは、味というよりは、雰囲気とボリュームですね。
食べ応えのあるバーガーにかけ放題のポテトソース、そしてお代わり自由の「ルートビア」(しかもジョッキ)って、まさにアメリカーーン!満足です。
で、帰りにコンビニでご当地アルコールとおつまみを買い込んで、お宿でまったりタイムとしけこみましょう。
今日は、ひたすら走って、見て、感じて、学んで…よく考えると、ホントに盛りだくさんな1日でした。
結局ホテルには荷物放り込んだだけでなんにもしていなかった、部屋に戻ってからはお酒とおつまみを片手に荷物整理とランドリーでのお洗濯。
こうして「ツールド石垣島」1日目の夜は過ぎていくのでした。
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