いよいよ、旅の2日目。本格的な親子旅のスタートです。
行程としては、東予港から松山まで走って、松山城&道後温泉を観光。その後、松山港からフェリーに乗って広島県の呉に上陸するというルートになっています。
今回も記事の前に、ダイジェスト映像からご覧ください。
プロローグ
昇り始めた太陽が、巨大な船体をオレンジ色に染めていきます。
自分には見慣れている光景だけれど、子どもの目にはこれも初めての体験。
昨晩の大阪港では、暗さでフェリーの船体が見えなかった分、改めて見るその大きさに驚いている様子。そして朝陽を見るということもきっと初めて。
きっとそうやって、旅を通じてたくさんの「初めて」を獲得していくんだろうな…なんて感じます。
こんなことも普段の一人旅では思ったことがないわけだから、きっと自分にとっても子どもというフィルターを通して「初めて」をたくさん知ることになるのでしょう。
フェリーターミナルからゆっくり走り出すと、遠くに連なる山々の姿が浮かび上がってきます。この景色がとても好き。
岐阜や長野でアルプスを見渡すのと、似ているようで違う感じ。四国山地の姿にはどこか荒々しさのようなものがあるように思います。
霊峰「石鎚山」。四国に根付く山岳信仰の修験場。愛媛県民には特別な意味をもつ山。
というようなことを子どもに話してみるけれど、「あ、そう。」くらい。このあたりは小学生にはまだ興味が持てない世界なのかも知れませんね。
霧の峠を越えて、松山へ
さて、松山へ進路をとる場合、必然的に国道11号線を走ることになります。
道路幅はあるけれど、しまなみルートと違って自転車用のブルーラインがないのは、きっと国管轄だからなのかも。
早朝の道は空いていてとても走りやすいけれど、のんびり親子ライドとしてはこの先に待ち構える峠を越えられるのかが大きなポイントになってきます。
「ここから少し坂を上ることになるけど、しんどくなったら言うんやで」と声をかけて、子どもと先頭交代。
しかし、実は体重の軽い彼の方が登りが早かったことがここで露呈します。
すごい霧。春先の峠道はなんとも幻想的な光景。
ひとり旅ではこの風情を味わうんだけれど、子どもにとってはどうなんだろう。と思っていると、
「すごい霧!前が見えない!」って興奮気味に言っています。
きっと何もかもが新鮮なんだろうなあ。
「ここで写真をとろう!!」と言い出したのは、私じゃなくて子どもの方。その感じ方がとても嬉しいですね。
霞がかった峠道。深い谷を挟んだ、切り立った岩場に流れる雲と、朝陽をあびる頂。
素晴らしい光景をよくぞ捉えた!こういう場所で親子2台のバイクとともに写真を撮れるなんて今まで想像できなかったです。これは父親としても記念すべき1枚。
昭和の時代には栄えた街道。
高速道路ができるまで愛媛横断の大動脈だった国道には、風情とともに寂しさを感じる建造物も。
地方を自転車で走ると、車では見ることができない様々な街の歴史が垣間見えたりもします。
だから霞がかってたのか…。
登りは体温が上がるので気にならなかったけれど、なかなかの寒さだったんですね。
峠のてっぺんで最低気温を記録して、ここからは一気にダウンヒルです。
松山市内を往く
「下りで時速50kmでたーーー!!」と嬉しそうな子ども。見ているこちらは冷や冷やものです。なにせ父親が下り苦手ですからね。
国道を一気に下り終えると、松山の街が見渡せる堤防に着きました。ここでいったん休憩。
陽も昇りきって、気温もどんどん上昇してきました。カロリーメイトを食べながら軽ーくウェアのチェンジ。こういう食事も子どもには初めて。覚える必要はないかもしれないけれど、エナジーバーに喜んでいました。これも思い出になるかな。
ここで改めて親子旅の装備紹介。
小6の体力を考えて、ほぼすべての荷物は父親号が受け持つことに。ハンドルバーバッグと大型サドルバッグ。そして写真にはないですがサコッシュを装備しています。
一方子どものバイクには、補給食用に小型のサドルバッグ。あとは上着を入れるために小さなリュックを背負ってもらっている。という感じ。
同じ1泊2日でも、修学旅行よりずっと少ない荷物に驚いていましたが、ホテルのアメニティーやランドリーを最大限活用して、余計な着替えや荷物は持たない。そんな旅の仕方もあるんだよ、って教えてあげました。
松山市内の国道はあまりに交通量が多いので、ここからは県道334号線に乗り換え。
伊予鉄の線路と並走するので、時折有名なオレンジ色の車両が横を通り過ぎます。都会なんだけど単線区間。市街地にあるのに遠くまで続いていく一本道。こういう光景が好き。
なぜかとても気になった、ドラえもんの墓場???
大型遊具などの廃棄物置き場なんだけれど、タイムマシンのシュール感がスゴイ。
「タイムマシンでパラレルワールドにいったドラえもんが、あちらの世界で故障してここに運び込まれた…」というような妄想がはかどります。子どももこの光景を写真に収めていましたね(笑)。
いよいよ松山の中心市街地に!
路面を走るのは「坊ちゃん列車」ですね。パンタグラフがないところを見ると、本当の蒸気機関???
そして、松山と言えば、オレンジ色の伊予鉄路面電車。うーん、好きだ!!
目指しているのは松山城なんだけれど、中心市街地はビルが多くて肝心のお城が見えない。
だからこういう目印になる看板がとっても重要なんです。
現存十二天守のひとつ「松山城」
道路の誘導表示に導かれて、一つ目の目的地である松山城の麓に到着。
ここまで峠越えを含めて約40kmを走ってきました。小学生そんなに疲れてないのはすごいね。
松山城の城下町には無料の駐輪場とバイクラックがあったので、ここに留め置きができます。
良いシーズンなのでもうちょっとローディーたちがいるかな?って思っていたんですが、どうやら私たちだけの様子。
松山城は市街にある丘の上に立つお城なので、若干の登山の要素を含みます。
長い距離を走って来たのでできるだけ脚を休めようと、本丸のある頂上まではロープウェイを利用することにしましょう。
現場に着くまで知らなかったんですが、同じ値段でロープウェイかシングルリフトが選べます。
子どもが選択したのはリフト。いいねえ!
全方位の眺めがいい場所から、カメラでいろんな景色を撮っています。もちろんリフトも初体験。ひとつ後ろのリフトから子どもの背中を見つめながら、この子にとっては旅の一瞬一瞬が体験であり学びなんだなあ、と感じました。
松山城の本丸までは、約10分のハイキング。
有名な「登り石垣」や開花したての少し早めの桜を眺めながら、ゆっくり上っていきます。
これくらいには高い位置にあるのが松山城。来るまで知らなかったー!
どん!とそびえる天守が見えてきました。
日本国内にある「現存十二天守」の一つ。松山城。
厳かで壮観な佇まいに圧倒されます。
ちなみに四国には、松山城のほかに丸亀城、宇和島城、高知城と十二のうち1/3を占める4つの天守があるのです!というお国自慢(笑)。
不思議な光景。
ここは江戸時代、あちらは令和時代。
そうそう、松山城に来ることになったのは子どものリクエストなんです。
以前にテレビ番組でお城の特集を見て、姫路城、彦根城を見に行って歴史感や異世界感が気にいった様子。歴史的な背景とかには一切興味を持っていませんが、この「感じ」が好きなんでしょうね。
そういう意味では父親と全く同じ。ちなみに私自身は自転車旅で松江城にも行っているので、全部で4つクリアしたところです。
現存天守なので、内部も当時のまま。観光用に照明がついていますが、それでも薄明るい感じ。
当時はろうそくなどで明かりを灯していたんでしょうね。
一部のフロアには、このように武具や建材などの展示紹介コーナーも設置されていました。
天守といえば、やはりこういう風景。
今でこそビルやタワーから簡単に市街を一望することができますが、江戸時代にはこうやって見渡せる場所は天守でしかなく、お殿様にしか見ることができない光景だったんだと思います。
町民の生活を見守りながら、当時の政治・行政が行われていたんでしょうね。
場内探検を約1時間楽しんで、最後に我が家恒例となっているのがこの「メダル製造機」。
これは父親が「当時親に買ってもらえなかったリスト」の上位に入るアイテムなので、子どもが希望したら奮発して買ってあげちゃうぞ!なのです(笑)。
この金属製のメダルに刻印を押せるマシンが併設なんですが、私の子どものころから変わっていない!お城と同じくきっとこれも文化遺産なので世の中からなくなってしまわないうちに、使っておきましょう。
ということで、わが子通算3枚目のメダルを獲得です。
松山城探検楽しかった!
下りももちろんリフトなんですが、街を見下ろす景色の方が素敵かもしれません。
城下町を、おやこ旅ぶらり旅
いつか三田村さんの番組を変わってあげたい…
JRで旅して、女優さんと二人でぶらり歩いて好きなものを食べる。しかも経費で。(笑)
とどうでもいい話をしておいて、ちょうどお昼時になったので城下町を散策して食べ歩きをすることに。
パワーのある誘い文にまんまと惹かれて、まずは「じゃこ天」から。
食べ歩き用にはトースターでカリカリに焼いてくれるのでとても美味しい!
その素朴な感じはフードコートとはまた違うだろう、なあ息子よ。
ソフトクリームは鉄板。ご当地ではずしたくないメニューなので見つけ次第購入です。
こちらは「いよかん&ミルク」のミックス。個人的にはミックスがお気に入り。
ちなみにスジャータが出してる「ソフトアイス」はソフトクリームと姿は似ていても食感が違うので少し苦手な私です。
これだ!これこれ。
愛媛の都市伝説「ポンジュースが出るオレンジ色の蛇口」を完全再現。紙コップに注ぐ姿は動画にもとってしまった。
両隣に水とお湯の蛇口があればなお完璧なのに。とさらなる再現度アップを期待したい。
父親的には入ってみたい喫茶店。「のらくろ」とか今の若い人絶対に知らないでしょうね。
今日は子連れで先も急ぐので、写真だけいただきました。
近代化された城下町の姿は完全に観光地そのもの。
なぜか「鯛めし」のお店には必ず行列ができていましたが「鯛めしは宇和島じゃん…」と愛媛ルーツの私は思うのでした。
そんなこんなで、親子旅の2日目前半はここで一旦区切りです。
旅はまだまだ続きます!
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