★このルートのおすすめポイント★
☆ 白浜から熊野本宮大社までは「国道311号線」の一本道。
☆ 近露王子から継桜王子までは、国道と並走する「中辺路」(なかへち)を通行可。(舗装路です)
☆ 熊野本宮大社の手前にはいくつかの温泉地があるので、宿泊の場合この周辺での宿泊もおススメ。
☆ 熊野本宮大社一帯は「世界遺産」エリア、見どころがたくさん。
ルート全体をわかりやすく見るとこんな感じです。今回からGoogleMapもつけてみました♪
白浜から熊野本宮大社までが約60㎞、そこから新宮まで約30㎞なのでルート全体で90㎞程度です。
距離と時間は数字だけを見ると1日あれば十分クリアできますが、大阪からのアクセスでは時間が不足してしまうのが微妙なところです。そのあたりはまた文中で。
プロローグ
JR西日本の「サイコロきっぷ」を利用するのも通算4回目。
毎度のことだけれど、大阪から遠方へ往復の交通費が5,000円で済むというのは本当にありがたい話。
でも最近は人気が出すぎて「抽選制」および「WESTERポイント保持者」というハードルも設定されるようになっちゃいました。赤字覚悟の人気商品だから仕方ないですけどね。
ちなみに、前3回のサイコロきっぷではすべて「博多」という大当たりを引いてきた私。今回はじめて「白浜」を引き当てました。
以前の自転車旅で白浜~串本まで海岸沿いのライドは行っているので、今回は「熊野大社」を目指して山間部を走る「熊野古道ライド」とすることに。
新大阪駅始発の特急くろしお1号、通称「パンダくろしお」が白浜駅へ到着するのは10時過ぎ、そこから輪行解除など準備をすると走り出しは11時になるので、結果的に遅めのスタート、、、
と思っていたら、なんと事故により約90分の延着が確定するという非常事態に!!?
結果的に白浜駅に到着したのがなんと11時30分。距離にしていきなり約35㎞くらいのロスになっちゃってます。
白浜駅からタイムアタックモード!
白浜駅で輪行解除して早速スタート!急げ急げ!!
これだけのビハインドを今日中にクリアできるのかが1日目のポイントになってきました。ほぼタイムアタックモードでの走り出し。
幸いルートは単純で、国道311号の一本道。
熊野本宮大社までは約60㎞なので立ち寄りなしで3時間くらいか。よし!がんばろう!!
さすがに国道だけあって道幅にも余裕があって、とても走りやすい道です。
熊野古道の参拝道の一つであある「中辺路」(なかへち)に沿っているルートなので、ところどころその雰囲気を味わうこともできます。
横目に道の駅や史料館があるけれども、泣く泣くパス。
本当は道の駅でご当地ランチを食し、熊野古道の宿場町の散策を楽しんだりなど、ワクワクする行程を考えていたのですが、11月の日没時間(17時前!!)を考えると、まっすぐ本命の「熊野本宮大社」を目指さざるをえません。
夏ならまだ余裕あったのに…
中辺路ルートで古道の雰囲気を味わう
道中、渡りやすそうな吊り橋を見つけたので、その雰囲気だけでも味わっておきましょう。
高所恐怖症なので、ゆっくり押し歩きで往復です。というのもこの橋ルートに関係ないんですよね。(笑)
また国道に戻って黙々とペダリングを開始。
時折川を渡ることがあるんですが、さすが熊野古道ともあって美しい渓流の姿が拝めます。
山越えルートなので多少のアップダウンはあるものの、急こう配はなくてダラダラと登ったり下りたり。
地味に脚にはきますが、スタミナ全部を持っていかれるような難所はありませんでした。
良くも悪くも走りやすい道なので、健脚さんには少々物足りないかもしれません。
中辺路ルートを走るうえで一番残念だったのは、「湯の峰温泉のつぼ湯」や「川湯温泉の仙人風呂」を見られなかったこと。宿場町の雰囲気を味わって足湯だけでも入りたかったんですよね。
誰が悪いわけではないけれど、この日は電車の延着がすべてです。仕方がない。
ちなみに和歌山では魅力的なコースがたくさん描けるんですが、大阪からのアクセスがネックになって実際に走るのには億劫になってしまいます。
関西から出てくると現実的に「白浜」が拠点にならざるを得ないのですが、大阪発の始発で動いても午前中を移動時間でロスしてしまうので長い行程が引きにくくなってしまう。
結局、同じ3時間なら山陽新幹線で岡山~博多のどこまででも行けてしまうので、最終的に近畿圏よりも中国、四国、九州と遠出したくなっちゃうんですよね。
世界遺産 「大斎原」と「熊野本宮大社」を巡る
ようやく見えた!あれが「熊野川」だ!
なんだかんだと走ってきましたが平均時速20㎞で再計算のとおり、16時前に「本宮町」にたどり着きました。
ここは熊野巡りの聖地「大斎原」(おおゆのはら)と「熊野本宮大社」がある場所。そして一帯が世界遺産となっているエリアです。
到着後、まずは最もわかりやすいランドマークを発見!「大鳥居」です。
旅番組などで幾度も見ていますが、やはり現実に見ると迫力がありますね。
あの鳥居の先が聖地「大斎原」(おおゆのはら)です。
熊野大社のトレードマーク「八咫烏」(やたがらす)がカッコいい!!導きの鳥だそうです。
吸い込まれるようにバイクで進んでいくと鳥居の先にバイクラックがありました。やはり自転車で訪れる人も多いようですね。
ちなみにこの日は珍しく、ただの一人もローディーに遭遇しませんでした。
大鳥居をくぐった先、大きな針葉樹の林が旧参道、芝の広場に見えるのが旧本宮跡。
大昔に熊野川が氾濫して被害を受けたことから、現在の場所に社殿を移築したのが現熊野本宮大社ということです。
そういえば今回のライドではじめて理解したのですが、この「本宮」にたいしての「新宮」、つまり新宮市は熊野大社の新宮(速玉大社)ということだったんですね。
こういう体験を通じた学びというのは重要。頭じゃなくて腹でわかる、みたいな理解。
外国人観光客やミドルシニアの日本人ハイカーもそれなりには居たものの、山深い場所にあるので京都や奈良と違って混雑していないところがいいですね。落ち着きます。
世界遺産に指定されているだけあって管理は厳格なんでしょう。いたるところに注意書きが散見されます。
これはこれで景観や雰囲気を…いや、みなまで言うまい。(笑)
熊野本宮大社にはバイク置き場がないので、向かいにある熊野古道館に駐輪。
この建物が史料館と役場の出張所と観光事務所を兼ねているようです。
私は自転車ですが、一般的には自家用車かバスで訪れる場所です。
ご当地路線バスも地域によって色があって好きなんですよね。
史料館もゆっくり見ていきたかったのですが、ここからは日没との闘い。
すでに16時を回っていますので、そそくさと神社へむかいます。
どーん!!と構える八咫烏の紋章!
いよいよ目的地の「熊野本宮大社」に来ることができました。
時間帯からか、夕暮れ前の境内にはほとんど人が見当たりません。
厳かな空気を味わいながら参道を歩くことができるのは恵まれていますね。
ここを訪れてはじめて知ったことですが、熊野本宮大社は「よみがえりの地」であり「人生たびだちの地」なんですね。
個人的な事情ですが、ちょうど私も人生の転機を考えている時期でしたので、これはまさにお導き。
サイコロきっぷの当選から始まった巡り合わせのライドだったのかも知れません。
その御利益をいただくためにカラス文字で書かれた「熊野牛王護符」をいただいてきました。
古の聖地でしっかりお参りをしてこの地をあとにします。
なんか違和感ある看板。社会貢献なのでいい事ですけれどね。(笑)
時刻は夕暮れ時、空にたなびく雲が秋を感じさせてくれます。
しかし油断しているとすぐに真っ暗になって街灯の少ない地方道でのライドの危険がぐっと上がりますので先を急ぎましょう。
今日のゴール(=宿)は新宮市内。ここからまだ約30㎞、時間にして約90分。
幸いにして熊野川沿いを下っていくだけなので、迷いようがないのが幸い。
真っ暗な国道で追い越しをかけてくるトラックにおびえながらも、無事に新宮市に到着。
今日のお宿は「SUSHI HOUSE」(スシハウス)さん。民泊用の一棟貸し切りのお宿です。
ここを一人ぼっちで利用するという…(笑)
実はこの宿舎は隣接する寿司店「まえ田」さんの所有。職人さんが使用していた宿舎を民泊用に改築されたものです。
最大の魅力であり、この宿を選んだ理由でもあるのは、夕食付きプランでの食事がこの寿司店で食べられるというところ。もちろん宿泊料金に込みで。
太平洋に面して、マグロ漁港の勝浦&クジラ漁港の太地に隣接しているこの地では、その日に入った新鮮な食材を利用した素晴らしい料理を提供してくださいます。
カウンター席で大将や職人さんとお話ししながらの食事は最高でした!!
自転車旅における宿には温泉や大浴場をチョイスすることが多いのですが、今回は宿舎のステンレス風呂!!
昭和感漂う「狭くて深い浴槽」に入るのは子どものころ以来。これはこれでとても懐かしくて大満足なのでした。
4部屋あるうちの一室を休憩部屋、もう一室を就寝部屋と贅沢使い。(笑)
さて、明日は海沿いの「大辺路」(おおへち)ルートで、熊野三社の残り二社「熊野速玉大社」「熊野那智大社」にお参りすることにしましょう!
<つづく>
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