グラベルを走りたい!【ロードバイク×グラベル仕様】の実験をしてみたお話。

アイテム&メンテナンス

世の中ではグラベルバイクが盛り上がりを見せていますね。
過去にMTBで地元の林道を走ったことがあるのですが、ロードと違う楽しさに感動したので楽しそうだということはよくわかるのです。

しかし、【幅広タイヤ・ディスクブレーキ・油圧コンポ】のセット。【振動吸収フレームと専用ジオメトリとフレアハンドル】などなど…専用装備が多すぎて。
うーん。楽しむにはバイクを新規導入するしかないですよね。しかしながら懐具合はそうはいかず…。

そこで思いつきました。【手持ちのバイクをグラベル用に仕立てたら、それなりに楽しめるんじゃないか!?

ということで、選ばれたのはラレーくん。そしてPanaracer GRAVELKING 28c(クリンチャー)です。グラベルっぽくしたかったのでブラウンサイドを選びました。

手持ちのホイールは、【SHIMANO WH-RS100(c17)】と【Campagnolo ZONDA(c15)】のふたつ。
28cのタイヤを履かせるので、リム幅は広めに越したことはないけれど、せっかくのZONDAくんを寝かしておくのはもったいない…ということで、見た目と軽さをとってZONDAにGRAVELKINGをインストールしてみました。

ちなみに、RS100もコスパに優れるすごくいいホイールなんですよ。カタログ重量を感じさせないバランス感がとても好きで、ラレー君の通勤+普段履きとして活躍してもらっているので今回はお休みです。

というわけで、組みあがったのがコチラ。タイヤを変えただけの【RALEIGH CRF】そのものです(笑)

しかし、フレーム材が【レイノルズ631】クロモリならぬ”マンモリ”(マンガンモリブデン)なのでスチールバイクの中でも柔らかと言われていますし、フォークもアルミコラム+カーボン&ベンドなので丈夫さと振動吸収性のバランスに優れている!(ハズ)

不安な点は、タイヤ幅ですね。ロード用キャリパーブレーキなので、限界値が28c。
本来なら32c以上を履かせたいところですが、フォーク&フレームのキャパとブレーキ形式に左右されるので、こればかりはどうしようもありません。

一般的に手持ちのロードを改造してグラベル仕様にするには、この「タイヤ変える」くらいしか選択肢はないと思います。

あと、ホイールについては私個人の事情でZONDAをおごっていますが、未整地を走るのなら「軽さより頑丈さ」が優先されるでしょうね。エアボリュームや頑丈さから考えると本来はRS100が正解だと思います。

それでは、さっそくテストライドに出かけましょう!

テストコースに選ばれたのは、奈良県奈良市は若草山のふもとから始まる【春日山遊歩道】です。

しっかりと締まった砂利道。グラベルというよりダート。固くしまった砂利道。
登山者用の遊歩道ですが、自転車もスピードに気を付けることを条件に走ることが許されています。MTBやグラベルロードの方々が、走りやすい道ということでレビューされていたのでテストライドにはうってつけですね。

↓↓↓ちなみにコースはこんな感じです。↓↓↓

上のマップの右半分が今回のテストコース。
入口から若草山の山頂まで約3kmのヒルクライム。頂上からも春日山を1週するコースになっているので、全長は8kmくらいのコースになります。

それでは、こんな感じのグラベルを走った【ロードバイク×グラベル仕様】の実験レビューです。

★タイヤ編★ Panaracer GRAVELKING 28c

グラベルキングにはブロックパターンのSK、ドットパターンの無印、その半々のSSとありますが、 通勤やポタリングにも使うことから、無印をチョイスしました。
太さは28C。キャリパーブレーキのロードにはこれが太さの限界です。 ただしエアボリュームはすごくて、通常の空気圧だとポンポン跳ねる感じ。
グラベル用にクリンチャーですが4bar(非推奨)程度にまで落としましたがリム打ちもなく安定。
ただ、やはりこういう路面では「グリップしない」!
これは細さとトレッドのためでしょう。 すくなくともグラベル目的では絶対的なグリップ力不足です。
SKだとグリップすると思いますが、舗装路がつらいかな…このへんはきっとトレードオフ。
しかしながら、流石に丈夫!!結果10kmほどグラベルを走りましたが 小石を弾き飛ばしつつ、一部冷っとするくらい鋭利な石も踏みましたが、 タイヤには傷一つつきませんでした。
あと気になったのはリムですね。今回はダートなので気になりませんでしたが、マッディーな路面の場合はリムに泥が付着するのでリムブレーキは基本的に向かない。だから専用車はディスクブレーキなんですね。

★フレーム編★ Raleigh CRF(REYNOLS631+CarbonFork)

グラベルバイクにはいまだクロモリフレームも多いのですが、 それは丈夫さと振動吸収性のバランスで大きなアドバンテージがあるからだと思っています。
こちらはほぼイメージどおり。ラレー号でもグラベルの凹凸や振動で少なくとも不快に感じることはありませんでした。タイヤが細いのに疲れないのはフレームのおかげでしょう。スチール万歳!!
ただ、やはりジオメトリはごまかせません。特にこのラレーCRFはあくまで「ロードレーサー」ジオメトリなので腰高でハンドリングがクイック。グラベルでは直進安定性にかけ怖い場面が多い。つまり速度は出せません。
グラベルを安定して走るには、やはり専用のグラベル専用のロングホイールベース・低重心のフレームが最適だと思いました。

★ギア・ハンドル編★ Tiagra4600(10×2s)+dropハンドル(420mm)

MTBやグラベルロードがシングル×ローギアードな理由。ハンドルがフレア(末広がり)な理由を 身をもって理解しました。
グラベルで踏み込むと後輪がスリップしてトラクションが抜けてしまいます。つまり程よいトルクで回す必要があるんですね。
また路面振動でチェーン落ちの可能性も非常に高い。つまりフロントシングル・ローギア であることがきっと正義。
そしてハンドルも路面にかなり取られてしまうので、幅広ハンドルで抑えこむことも必要。
このあたりはすべてロードレーサーと真逆の発想です。勉強になりました。

★まとめ・全体評価★

結論としては、それでも楽しくラレー号で走っていけたので、グラベルライドは十分楽しめました。
ささすがにグラベル専用バイクにはかないませんが、若草山は大丈夫と言えるでしょう。

【ロードバイク×グラベル仕様】は「日頃舗装路メインで、思いつきでグラベルに突入」という 使い方がベストだと思います。つまりロングライド向けですね。

というのが、旅ライダーである私の感想でした。手持ちのロードでやってみたい人は参考にしてください。

ただし、バリバリグラベルを楽しみたいという人は、大人しくグラベルバイクを購入しましょう(笑)
安全性や快適性など、あらゆる面において専用バイクが優れていますので。あたりまえですが。

ちなみに若草山の頂上は、自転車で行ってみる価値が十分あります。奈良・大阪を見下ろす景観は最高ですよ。写真撮影にはもれなく神の使いである鹿さんが映り込んでくれますし(笑)

以上。タイトルどおり【ロードバイク×グラベル仕様実験】でした!

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