「さんふらわあ」で大分県へ、竹田市「長湯温泉郷」を目指して!【ツールド冬休み】大分編(別府~竹田)その1

ツールド×旅Life

プロローグ

記念すべき第1回の自転車旅(2017年ごろ)。大分県の【別府~竹田】を巡ったときのお話です。

思い返せばロードバイクを買ったのが2014年ごろ。
子どものころ自転車に乗れるようになって、知らない色んな場所を自転車で探検して自分の地図を広げていった、あの時のワクワク感が戻ってきて日帰りで色んなところを走ってました。
日常では近場の山やサイクリングロード、ロングライドではビワイチ→アワイチ→しまなみ海道と1DAYで走れるところは大体走りに行ったと思います。

特にしまなみ海道は個人的に「アガリ」と考えていた場所でもあったので、次の目標を見失いかけていたのですが、そんな時に知ったのが「自転車旅」。
某有名な方の自転車旅ブログとの出会いが私の自転車人生の大きな転機になりました。

そこで、冬にまとまったお休みが取れたある年の冬。大阪からフェリーに乗って九州に行く計画を立案。名付けて【ツールド冬休み】

このライドから何かにつけては【ツールド○○】とほざいて旅に出ることが習慣になってしまったのです。

1日目 フェリーさんふらわあで 大阪から別府へ

金曜の仕事を早めに切り上げて、19時発のフェリー「さんふらわあ」を目指します。

自宅から大阪南港まではJRでおおよそ60分。そういえば電車での輪行も初めて。
不手際で乗り遅れたらシャレにならないので余裕をもって出発です。
しかし大阪環状線はちょうど帰宅の人たちでいっぱい…。輪行マンは肩身が狭い。乗客の皆様スイマセン。

乗船受付がある南港WTCの受付のすぐ横にコンビニがあったので、ここで夕食&夜食を補給。
残念ながらの貧乏旅なのでエンゲル係数は低めをキープせねばいけません。
旅ライドの予算は、高いものから【移動費>>宿泊費>>>>>>食費】となるのです。

さて、今回予約したのは最も安い【ツーリスト】いわゆる雑魚寝の相部屋です。
田舎が愛媛なもので、子どものころ家族で乗ったフェリーがこんな感じでとても懐かしい感じ。
この居心地の良さは好きだなあ。

ちなみにロードバイクは輪行状態でデッキに括り付けてあります。フェリー輪行には「ひも」が必要なことは予習してきましたよ。

週末ですが、大阪から別府へのお客さんは多くはなく、荷物も含め広々快適に過ごすことができました。なによりフェリーには大浴場もある!明日の予定を考えながら風呂上りにゆっくりビールでリラックス…なんてことができちゃいます。うーん、至福の時間。

ブレブレだ…。

船内探検や明石海峡大橋のライトアップ見学を終わらせたら、明日に向けて就寝です。

2日目 別府から竹田市・長湯温泉を目指す

午前5:30に起床。サイクリストの朝は早い。

フェリーが別府港に到着するのは午前6:55。それまでに朝風呂に入り(個人的趣味)身支度を整えて食事をとらないといけません。
フェリーの朝食はビュッフェスタイル。お財布にやさしくしっかり補給もできるのでサイクリストには超ありがたい。

船内の窓からはターミナル越しに別府の山々が見えます。季節は冬、しっかり山は雪化粧だ。

昨晩しっかり楽しんだフェリーともお別れ。というか帰りにまた同じ船に乗るので、明日の夕方また会おう!という感じですね。

ターミナルに降りてゆっくりバイクの準備。なにせ輪行自体初めてなので、間違えたり部品をなくしたりしてはいけません。慎重に慎重に…。

ところで、この旅では「写真を撮る」ことをそんなに意識してなかったなあ。
そのため撮影はスマホのみ。ブログには素材をアップしづらいという副作用が出ています。

真冬のライドの初期装備。今考えると恐ろしい…。

amazonで知らずに買ったコピー品の粗悪ウェア上下。中はヒートテックとフリースシャツ。毛糸グローブ。つま先だけのシューズカバー。耳むき出し。

今の私「そんな装備で大丈夫か?」
過去の私「大丈夫だ問題ない…」

で、問題ないわけがなかったわけですが、このようにして旅人は学んでいくんだなあ。ということを写真をみて実感しています。

あと、着替えやらでパンパンになったリュックも問題。今なら物減らしてサドルバッグですね。
今思うとやっぱり走りにくかった。

とはいえ、この時は初の自転車旅&九州上陸。テンションが上がってる私には「寒いけど楽しい!」が勝っていました。翌日改めて後悔することを知らずに…

別府をスタート地点に、この日目指すのは大分県竹田市にある【長湯温泉】です。

別府には翌日帰ってくるのでその時に観光する予定。まずは海岸沿いに一旦大分市街へ出て、442号線を南西へ進むルートをとります。

走り出して間もなく小雨が降ってきたのですが、ここで一つのミスが発覚。
「雨具もってない」はい。おうちに忘れました。
仕方がないのでコンビニでビニール合羽を調達、予想外の出費ですが真冬ですし仕方ありません。

大分市街で気が付いたのですが、物価がおかしい?
走っているルートにいくつもお食事処があったんですが、大体300円~500円の看板。大阪では考えられない価格帯ですがたまたまだったのかなあ。

いよいよ442号線。竹田まではこの道路をまっすぐですが、大きな山を越えていかねばなりません。きつい斜度ではないんですが、なにせ長い。そして寒い。よしがんばろー!

暖かい缶コーヒーに救われる。そして、この手袋が装備の貧弱さを物語っている…

ぐんぐん標高をあげていくと、山の集落に差し掛かりました。ふむふむ「歴史の道 肥後街道」
このルートは参勤交代の道だったんですね。そしてここは「今市宿」。石畳の街並みが素敵です。

それにしても九州から江戸に参勤交代というのは地方大名にとってはそれはそれは大変なことだったんでしょう。旅をしてると時々こういう発見や気づきがあるから面白いものです。

ここで442号線の面白スポットの備忘録。

まずは【100円ショップふみちゃんの店】
山間部で補給ポイントがなく焦っていたところに登場したお店。
優しいおかみさんであるふみちゃん手作りの食品がなんと100円均一!
ここで優しく美味しいおはぎを買ってしっかり補給できたので本当に助かった。山のオアシスですね。
ふみちゃんは元気かなあ。

続いて【カラオケ軽食喫茶店 アマゾン】そして【リサイクル 東京ガールズ】

この時はトイレを探していた…。そんな時に現れたロードサイド店。
併設されたこの店舗?たちの醸し出す雰囲気はまさにカオス
無造作に置かれた数々のオブジェが旅人を誘ってくれていますが、私には白線をまたいで対向車線にいく勇気すら起きなかった(笑)
この店舗の詳細知ってる方がいたらぜひ教えてほしい。というかまだあるんだろうか?

思っていたより道は険しく、午後1:00ごろにようやく竹田市街に到着。竹田と書いて「たけた」です。

名水とカボスはわかりませんでしたが、ここは【荒城の月】で有名な【岡城址】があるところです。
元々城下町だったわけで、街並みのいたるところにその痕跡を見つけることができます。

土壁の武家屋敷群。ここは本当に江戸時代のまんま。今となってはこういう保存状態の方がかえって珍しいのではないでしょうか。なんか「本物を見た!」という感じがします。

竹田市は隠れキリシタンの里としても有名。この【キリシタン洞窟礼拝堂】も迫力があります。
当時の宣教師が洞窟を拠点にキリスト教を広げていたらしいですよ。

江戸時代から時が止まっているかのような風景は一見の価値あり!

そして、竹田市の一番の見どころである【岡城址】。【荒城の月】のお城はこれです。
滝廉太郎の像と一緒に、まさに荒れ果てた城跡がそのままの形で残っています。

ここは当然ハイクになるので、入口付近に自転車を止めて城跡探索。
広い敷地と立体的な石垣の後は、当時本当に大きな城があったことを教えてくれます。
なるほど城下町が栄えるのもよくわかる気がする。

天気はあいにくの曇り+小雨。だからこそなのか、荒城の月の印象が深く心に刻まれました。

岡城のふもとの城下町では【ひなまつり】の準備が着々と進んでいました。
町の神社やお寺にはひな人形が飾られていましたが、知ってる形とちがう。
これは竹田市の伝統工芸品、【姫だるま】というお雛様。または達磨です。独特のかわいさがクセになる。

そろそろお腹が減ってきました。ふみちゃんのおはぎ以降、補給をしないまま岡城址まで回ったのでそろそろ限界です。

ちょうど城下町なので食べるところはいろいろありましたが、大分ということで食べておきたかったのが【からあげ】と【とり天】。というわけで、からあげ&とり天専門店の【丸福】さんでランチをいただきました。
いまでこそ、チェーン店の唐揚げ屋がいっぱいありますが、ご当地物はやっぱり最高ですね!
うん。おいしい唐揚げは何個でも食べられる!

おなかがいっぱいになったのでここからラストスパート!
目的地は【長湯温泉】。ここに本日の温泉宿を手配しています。
しかし同じ竹田市内ということですが、この市街地から目指す温泉街までは、山を2つばかり越えて約20km。地方の「市内」には要注意だ。

なんだかんだで1日目からかなりの標高を稼いでいるので脚がそろそろ限界…というところでようやく長湯温泉街にでました。

ここは古き良き素朴な温泉街。町のいたるところから湯気が立ち、硫黄のにおいが濃い。
別府は大きくてあか抜けた温泉地のイメージがありますが、一方でこういう自然のままの姿の温泉街というのも素敵です。
ちなみに写真の露天風呂は【男女混浴】だそう。入らないけどね(笑)

ラムネ温泉。冷泉なので冬場は入れません。ちなみにこのころはラムネライダーではなかった。

ゴーーーール!!!ようやくたどり着いたのは【長湯温泉 万象の湯】。温泉宿ですよ!!

疲労困憊であればなおさら、ご褒美が温泉であるのは喜ばしいことです(笑)
喜び勇んで受付へ突入!したら、この季節自転車で訪れる人なんていないらしく、大いに驚かれました。

案内されたのは和室。もう【こたつ】が最高じゃないですか!!部屋のあたたかさ+こたつ布団のやわらかさが、旅の疲れを癒してくれます。
なんかしばらく何もせず、ただゴロゴロしてたのを思い出しました。あの時間は幸せだった(笑)

この日はお客さんがあまりおらず、なんと一人で貸し切り家族風呂を利用できることに。
うん、最高のサービスです!

お風呂の準備中に先に食事を。と案内されたので、別棟の食堂へ。
ここでは、イワナの天ぷらや薬膳料理といったご当地料理をいただきます。そして大切なのはビールで乾杯!おつかれさまー!(ソロ)

そして、この日の締めに温泉に入浴。もう貸し切り最高です。
この家族風呂はいわゆる濁り湯。そして湯の華でカチカチの浴槽です。温泉成分がすごい!!

窓からは丁度お月様も見えて…この日のライド大変だったけれど、全部忘れた(笑)
とにかく心地いい温泉と和室のあった布団が、疲れ切った旅人の心と体を癒してくれたのだとさ。

めでたし、めでたし。

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