プロローグ
駅のホームに並ぶ、2つの輪行袋。
いつもと違う光景に、少し驚いている私がいました。
時は3月。年度末の忙しさの合間を縫って冬の間ご無沙汰だった宿泊旅を計画していた私。
久しぶりの「ツールド春休み」は、未踏の地である宮崎県に行くつもりにしていたのですが、小学校を卒業して、人より早めの春休みに入った末っ子が「僕もいこうかなあ…」なんてことをつぶやきました。
サイクルモードに行って自転車の世界に興味をもったのか、はたまた、中学生になる前に思い出となる冒険をしたかったのか。
ともあれ、またとないつぶやきを見逃す父親ではありません。
「じゃあ、一緒に旅してみるか?」
と、いうことで急遽決まった「ツールド×親子旅」。
今までいろんな旅をしてきましたが、同行者がいるのは今回が初めて。また、小学生ということも踏まえると、走れるコースを慎重に考えないといけません。
「ちなみに、どんなとこ行きたい?」
「城。」
うーん、渋すぎる。(笑)
でも日本の歴史に興味があるのは良いことです。
どうせ行くのなら本物をみせてやりたい。そして私も行ったことない場所。
ということで、まずは実家のある愛媛県にある現存十二天守のひとつ「松山城」に狙いを定めます。
松山から先は意外と身動きがとりづらいのですが、いろいろ調べていると、なんと松山から広島までフェリーが出ているじゃないですか。
じゃあ、1日目を愛媛で、2日目を広島でという面白い行程が組めそう。
2日目は息子が来たがっていたうさぎ島こと「大久野島」まで射程に入ってきます。
そんなこんなで、もう一つの輪行セットを準備して旅へと出立するのでした。
オレンジフェリーに乗船
で、冒頭の光景。ということです。
土曜の夜、大阪南港まで輪行し、大阪と愛媛を結ぶ「オレンジフェリー」に乗り込んだ私たち。
初めての船旅に子どもも興奮を隠せません。
個人的にオレンジフェリーは数回利用しているのですが、2人で乗るのは今回が初めて。
選んだお部屋は「シングルツイン」間取りはシングルと変わらないのですが。部屋の中は2段ベッドになっています。
ここに輪行袋2台は見たまんま入らないのですが、船員さんが「お部屋に置くと身動き取れなくなるのでこちらでお預かりしますよ」ということで、荷物用の倉庫に案内してもらえました。これは大助かりです。
荷物を置いたら、船内探検。
超大型の動くホテルに子どもは興味津々。
カメラをもって船内のあちこちを巡ります。うん、いい体験をしているなあ。
大浴場に入って、コンビニで買った夜食をたべ、夜景の写真をとって、ようやくお休みタイム。
明日もいい日でありますように。
出立の日
am5:00にスマホのアラームが鳴る。
6時には東予港に入港するので、それまでの身支度と食事をしておきたい。
私恒例の朝風呂ですが、子どもには初めてで、これも新鮮だったよう。
昨日コンビニで調達しておいた朝食を食べて、着替えを済ませると、いよいよ下船です。
個人的に、オレンジフェリーの朝食って値段とボリュームが見合っていないような気がして、
少しお高くて少量、だからどうしても毎回持ち込みになっちゃう。
自転車の人も少なくはないので値段はともかく満腹になるボリュームがあればうれしいなあ。
東予港到着は、am6:00。季節的にちょうどこのあたりが日の出の時間。
四国山地の峰から登る朝陽が美しいことこの上なし。
いよいよ旅が始まるというムードが高まってきます。
そうそう、今回の機材ですが、私はいつもの空色cervelo号。
子どもは兄の代から活躍してくれている黒いANCHOR号です。
3月初めのサイクルモードで作ったドクロマークのリフレクターを装備して、
いよいよ「ツールド×親子旅」が幕をあけるのです。
つづく…
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