【自転車旅】1泊2日で信州ライド①/長野から群馬へ温泉を目指す!<嬬恋・草津温泉>

ツールド×旅Life

あまりに暑い夏…

同じワードを何度もつぶやいていますが、言ってるだけでは涼しくならないしロードバイクにも乗れない。

前回、奈良県の「大台ケ原」において、標高1,500m地点を走った時の実績と反省を活かして今回の旅先に選ばれたのは「長野県」そして「群馬県」

目指すはさらに涼しいであろう標高2,100m地点。日本の国道最高峰である「渋峠」です。

今回の行程は1泊2日。

関西から信州を目指す場合に日帰りの選択肢はなかなかに厳しいものがあるのと、せっかく遠方へ出るのだから現地でゆっくり過ごしたいというのも理由。

1日目であるこの日は、長野市から群馬県の「草津温泉」を目指します。くだんの「渋峠」は2日目のメインディッシュ。

走行距離約74㎞、獲得標高1,983m、実走行時間5時間12分というライドの結果となりました。

それでは、今夏3回目の「ツールド×夏休み」のはじまりはじまり~

長野市はそれでも暑かった…

大阪から約5時間。

具体的には朝5時台に出発して在来線で大阪~京都、京都から名古屋まで新幹線のぞみ号、名古屋から長野まで特急しなの。都合3回の乗り換えで、午前10時にようやく長野駅に到着しました。

天気予報で現地の天候や気温を調べていたので、わかっていたことではあるのですが、長野市中心部は「暑い…。」

市街地中心部でも標高400mはあるので、大阪より涼しいイメージを勝手に持っていたんですが、全く同じ暑さ。

午前10時とはいえ、すでに気温も30度を超えてきていますし、雲一つない絶好の天気はかえって悪天候と呼んでいいのかもしれません。

こういう日は体温調整に多くのエネルギーと水分を使うことになるので、まずは補給から。

せっかく長野に来たわけですし、ここは朝から「長野そば」をいただきます。

暑いのでここは「冷やしそば」を注文。冷たいおだしと二八そばの食感は大好きです。

日陰でバイクを組み立て。

この時点でくらくらするくらいの日差し。今日はやばそうだ…と脳内アラートはすでに赤点滅状態。

今回の夏ライド+宿泊旅ライドの装備はこんな感じ

①保冷のダブルボトルシステム
②フロントバッグにドローンと補給食
③大型サドルバッグには宿&温泉用の替えウェアとパンクキット
④カメラ(一眼)はたすき掛け

宿泊旅とはいえ、ウェアは洗えば翌日までに乾くのでライド用のウェア類は着のまま1着だけ。

夏ライドの個人的マストはこれ。

大台ケ原編でも紹介しましたが、両ボトルをロックアイスでパンパンに。そこにミネラルウォーターを注いでいっぱいに。

残った氷はパウチ袋に速乾タオルを巻いて、ウェアの襟元かバックポケットにイン。水の方はできるだけ飲んで、それでも余った部分はウェアにかけて全身ウェット状態に。

これで、都合2Lの氷水を装備していることになるので、夏のライドも一定の距離までは大丈夫。という寸法です。

とにかく相対的に涼しくなるだろうから、一刻も早く標高をあげておきたい。

という思いで選択したルートは国道406号線これが正解だったのか失敗だったのかは今でもわかりませんが、一気に標高1,300mまで上げてくれるわけだから、序盤で涼しいところまで行ってしまおうという作戦でした。

おわかりだろうか…

はい。日陰が全くありません

ただただ日光を浴びながらのヒルクライムは斜度こそキツくはないのですが、容赦なく体温をあげに来ます。

こういう日はこまめに休憩を取りながら走ることが大切なんですが、国道406号には道の駅ひとつない…。

で、このように小さな日陰を見つけては路上で休憩をするというパターンに。通りすがらの車やバイクからは気の毒に見られがち。(笑)

とはいえ、標高も1,000mを超えると、日陰の風だけは相当に涼しくなってきます。

冬のライドでは汗冷えが命取りですが、この日は濡れたウェアが風でしっかり冷たくなったらライド再開というパターンで乗り切りました。

ようやく一つ目の峠越え。

峠の茶屋が安心感を抱かせますが、あくまでお食事処。あ「ひんのべ」というのは、信州の郷土料理で「すいとん」に近いものだそう。今回は見送ったんですが、せっかくだから食べておけばよかった。

ここの日陰でコーラ休憩をはさんで、ライド再開です。

高原エリアのさわやかな風「菅平高原」

峠の茶屋が文字通りの峠だったので、ここからは比較的緩やかなアップダウンに変わります。

日差しは強いままだけど、風を切って走る分には相当に涼しくなってきました。相変わらずウェアを濡らしておく必要はあるけれど。

そしてたどり着いたのが「菅平高原」(すがだいらこうげん)。

関西でも聞くことがあるこの名前、なんだろうと思いだしたら「スキー場」。思えば学生時代には新大阪から夜行のスキーバスで信州を目指したものです。

そうそう、ゲレンデのすぐそばにはペンションっぽいホテルがあるんですよね!

ここは「鈴蘭館」ヨーロッパ風の建物がとてもおしゃれです。この感じすきだなあ。

冬には見ることができない花や緑が美しい。夏は夏で避暑地として有用に活用されているみたいです。

サッカー少年たちを結構みかけたのも、この涼しいところで合宿なんかをしているんだろうな。

谷を隔てたあちら側もやっぱりスキー場。

見た感じ、ここよりずっと規模が大きそうです。冬に来たら景色も全然違うんでしょうね。

県道182号線、通称「菅平高原線」もスキー場エリアを過ぎると高原感は薄れていって、また山間部に入っていきます。

今までと景色が違うのは、山を見下ろす位置まで登ってきたから。

眼下に広がる樹海や遠方の稜線を見るたびに、空に一歩一歩近づいている感覚になります。

見渡す限りのキャベツ畑「嬬恋村」

小さな峠をいくつか越えて、大きな道に合流したところから国道144号線

合流、即登り。という状況でしたが、この長い斜面を登りきって現れたのが「鳥居峠」

ここが長野県の終点であり、群馬県の入り口になります。ついたぞ群馬県!!

これで私の日本地図がまたひとつ塗りつぶされたのでした。

群馬県 嬬恋村(つまごいむら)

吉田拓郎とかぐや姫があの伝説のコンサートを開いた地…だと思ってたら、あちらは静岡県掛川市の「つま恋」らしいです。ちがうんじゃん。

それはさておき、スーパーへ買い物に行くと「嬬恋産キャベツ」の段ボールをよく見ていたので、なんとなくキャベツ畑があるんだろうな…というイメージだったんですが。

思ってたんと、ちがーーーう!!

というくらい、想像の上を行くキャベツ畑の面積でした。角度によってはキャベツ畑で地平線が見えます。(笑)

せっかくなのでキャベツ畑を疾走すべく、ルートを「つまごいパノラマライン(北ルート)」に切り替えます。このルートの方が草津温泉にも近そうなので。

ちょうどいい感じの大木があったので、この日陰で休憩させてもらいましょう。

それにしても嬬恋村、村の名に「恋」っていう字が入っているなんて素敵だな。って思っていたら…

この場所「愛妻の丘」という場所みたいでした。やはり「恋」にちなんだものがしっかりあるんですね。

うん、1・2・3はできるなぁ。4・5はご勘弁を…(笑)

ここでは世界の中心ならぬ、キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ通称「キャベチュー」なるイベントも催されたのだとか。

嬬恋村のキャベツ要素を完全に侮っていました。地方創生おそるべし!!(意味不明)

畑の面積が大きいからか森林や建物があまりなく、とても見通しがいいエリアになっています。

吹く風も心地よく、ここでしっかり休憩を取らせてもらいました。

パノラマラインはまだまだ続く。

小さな峠の頂上もこの景色。勝手に「天空のキャベツ畑」と命名

日本有数の温泉地「草津温泉」に到着

嬬恋村からやはりいくつかのアップダウンをこなしながら、そろそろ足が限界かも…と思いだした頃に「ゴール近し」の看板類が…よし!ラストスパートだ!!

ちなみにここに来るまで多くのアップダウンを越えてきましたが、距離にして約70㎞なので普段の旅なら平均20km/h、休憩を合わせても5時間あれば十分にたどりつける距離ではあったのです。

つまり予定では15時台にはゴールできていたはずなんですが、なんとこの時18時。3時間のビハインドとなっていたのでした。

思うに、私の場合「体温調整」にエネルギーの大半が割かれるようです。というのも17時を過ぎて日が傾き風が出てきた頃合いから、一気にパフォーマンスが上がったのを実感したから。

水分補給や体への水かけをして日中に走るより、早朝と夕方に分けて涼しい時間に走るということも旅戦略上大切なのかもしれません。

ここまで来たらあと少し。

残念ながら17時を過ぎてしまっていたので道の駅はクローズでした。

そうそう、宿へのチェックインも予定より遅くなるのだから、ここから電話しておきましょう。

道路の案内板に従って細い路地を下っていくと、目の前にわかりやすい「温泉宿」のエリアにつきました。

って思ったら…

どーーーーーん!!!

うおーー!「湯畑」(ゆばたけ)だーーーー!!!

どうりで硫黄のにおいがするわけだ!

まぎれもなくここは「草津温泉」

テレビでしか見たことがない湯畑。こんこんと湧き出ている源泉とそれを温泉街に通す湯樋。

旅のゴールにこんなにふさわしい場所はないんじゃないか…!

そっか、源泉はここだけじゃないんだ。

関西に住んでいると「有馬温泉こそ至高!!」と言いたくなるのですが、この説得力よ。

「西の有馬、東の草津」とはよく言ったものです。

すべての要素が素晴らしい!!

長旅の疲れも吹き飛んで、ゴールの感動もそこそこに、知的好奇心が勝って湯畑探検にあっさり移行した私でした。

温泉宿「草津温泉 千」と草津温泉郷

電話でチェックインの遅れを連絡したうえでの予定通り。

18時30分、無事に本日のお宿である「草津温泉 千」さんに到着しました。

ネット予約でお安かったのでとった宿ですが、外観・内装ともにシックで高級感あふれる旅館でびっくり。

お部屋はシングルルーム。おひとり様専用なのが個人的にとてもうれしい!

食事なしのプランなのに、朝に「釜めし」がついてくるという嬉しいサプライズ。

そして…

なんと別棟に3つのかけ流し貸切温泉がついているという贅沢!!

ここから夕食と夜の温泉街めぐりがしたいので、まずはひとつめ「陶器風呂」に入って汗を流しましょう。

草津温泉は酸性が強い硫黄泉、お肌は程よく溶けてツルツルに。源泉の温度は52度!とにかく熱めです。

お風呂上がりの細やかなサービスが嬉しい!

風呂場で手洗いしたウェアを室内に干して、Tシャツ&短パンといういでたちで温泉街に繰り出します。

陽はすっかり暮れましたが、湯畑や旅館街のライトアップがなんとも素敵。

大きな通りや小さな路地をくまなく散策。

エリア自体はさほど広くないので、徒歩で十分です。

こういう旅館にも一度は泊まってみたいなあ…

でもお高いんでしょうね…あとサイクルジャージでは入りにくいはず。(笑)

草津の温泉街をぶらぶらしていたら、21時にほとんどのお店が閉店しちゃったみたい。

観光地の常なので心づもりはしていたんですが、明日のことを考えてしっかり食べておかないといけないので、焦って空いている飲食店を探していたら…「魚民」が開いてた(笑)

チェーン店でも別に悪くない。そこに食事とビールがあればいいのです!!

ということで、魚民でおなか一杯になってお宿に戻った私は、2つめの温泉「岩風呂」をゆっくり堪能するのでした。

あー、いやされるー。

そしてそのまま、部屋で気を失うように眠りに入る私でしたとさ。

1日目の行程はこんな感じ。

70㎞とはいえ、標高を1,900m稼いでいるのでそれなりにキツい道のりですね。

ただ標高が上がる分、涼しくはなるので夏のライド先として、ギリギリですがおすすめできるルートであると思いました。

それでは、2日目に続く…

コメント