佐賀県から福岡県へ、気づけばナイトライド【ツールド冬休み】壱岐島編(その4)

ツールド×旅Life

<自転車旅×2日目>佐賀~福岡編

【長崎県 壱岐】を後に、ステージは九州本土【佐賀県~福岡県】に移ります。

佐賀県の唐津港を起点に、福岡県の博多駅を目ざす行程。実走データで【距離58km、獲得標高440m、実走行時間2時間41分】というコースプロフィールです。

壱岐でのライドと合算すると総行程は100km超、獲得標高1,000m超となるので、まずまずのロングライドですね。

ちなみに九州本土ルートは、壱岐のアップダウンと違い延々と続く平坦と風。そして終盤の山越えが想像以上に体力を削ってくるわけですが…。

それではラストステージ。頑張っていきましょう!

ステージは佐賀県へ!【唐津市】

船内アナウンスが【唐津港】に近づいてきたことを教えてくれます。短くも深い昼寝をしていたので、出航から外の景色を見れていません。でも必要な休息。

車両デッキに降りるとちょうど接岸のタイミングで、「ゴンゴンゴン…」と重厚な音を立てながら船首が開いているところでした。よし!気持ちを切り替えて、再びライドスタートだ。

何度見ても、この船首が開くギミックに圧倒されます。なんかカッコイイ…。

ところで元々の行程イメージでは、この唐津港から一旦北上して【加部島展望台&杉ノ原放牧場】へ行くつもりだったのですが、太陽の傾きを見て早々に断念。冬ですから18時過ぎには真っ暗になっちゃうわけで。そして後々、この判断が正解だったことが証明されることになります。

【西唐津駅】でご当地車両の写真をいただきます。地方路線ではまだまだ国鉄型車両が現役で頑張ってくれていますね。って電車詳しくないですが。

唐津といえば【唐津城】。ひときわ高い天守が見えますが、行程上見学は断念。

国道沿いには大きな石碑と色とりどりの花壇。これは地域自慢のシンボルですね。

西日に照らされる天守。復元城で立派な造りです。あの天守からは唐津の海と街が一望できるのでしょうね。

ところで、九州本土に帰ってきたことを強く感じさせるのが「交通量」。国道沿いに博多を目指すのですが、自動車と信号によって一気に旅の緊張感が高まり走行ペースも狂います。やっぱり島ライドがいいや。

【虹の松原】。道路標識に書いてあったのとマップにも記載があって、なんのことだろうと思ってたら全長5kmくらいの「ひたすら松林」というゾーンでした。これはこれでスゴイ…。
おそらく海沿いの防風林だと思うのですが、こんなに広大だと樹海のようでもありますね。
信号もないのでかなりのハイペースなんですが、路肩がない中、自動車がビュンビュン追い越していくのでコワイ。自転車では虹の松原を楽しむことはできませんでした。中には遊歩道とかあるのかな??

【唐津港】から約20km地点。小一時間ペダルを回していくと海沿いに夕暮れが映える浜を発見。
サンセットギリギリまで粘るとそのあとが暗闇ライドになっちゃうので、小休止がてらの撮影としましょう。

ちなみにこの手の場所には「サンセット○○」といった名前が付けられがち…とおもって調べてみたけど、これだけキレイでもとくに名称はないみたい。それにしても素敵な光景。

遠くには風力発電の風車が見えます。この風景もかなり好き。当初予定ではあのあたりを走っていたはずなんだけど断念してよかった。真っ暗な虹の松原とか怖すぎて走れない。

県境を越えて…ハンガーノック危機一髪【糸島市】

気づくと県境。【福岡県 糸島市】に入りました。

自転車旅人としては、「行ったことある地」として白地図を塗りつぶしていきたい。ということで今回はあえて【長崎・佐賀・福岡】と北九州3県を抑えるルートです。これで一応ミッション達成。あとは熊本・宮崎を抑えると九州コンプ。さて、いつになるやら…。

西日のイエローがいい感じで照らしてくれています。しかしここから暗闇まではわずかな時間、明るいうちに距離を稼いでおきたいところですね。

…!?。脚がだんだん言うことをきかなくなってきた…!?というか、明らかにパフォーマンスがおかしい。何やらやばい兆候ですよ。

日が暮れて、あたりはマジックアワー。ビニルハウスの照明が点々といい感じの目印になってくれていますが、ここで脚を止めたのは撮影のためではなくて…

…アウト。脚が回りません。暗くなったからではないと言い切れる視界の悪さ。これは久しぶりの本格的なハンガーノックです。

ヤバイヨヤバイヨ…。地方の常で「補給箇所がない」問題が併発している以上、回復の見込みがない。そしてこのペースダウンに伴い時間の制約が厳しさを増します。そう、帰りの新幹線のチケットは便指定。乗り遅れたら約9000円がただの紙切れと化す…。

とにかく何かエネルギーを入れないといけないので、見つけた自販機でコーラ+缶コーヒー3本を一気に補給。これでも多少は力に変換されるから人体って不思議。

それにしても残り50kmを見くびってました。グランツールの選手って常に食べながら走っていますがエネルギーの収支とパフォーマンスがきちんと考えられてるんですね。
この日、お昼をしっかり食べたつもりだったんですが、実は補給じゃなくて午前の支出の穴埋めでしかなかったのかも。とにかくこの時は手持ちの補給食に何も持っていなかったので大反省です。

著しくパフォーマンスは落ちています。ケイデンスが60以上あがらない…20km/hが出ない…そんな中、農道に輝く緑色の照明が…あれは…ファミリーマートだ!!

命からがらファミマに飛び込んだ私。おいしさよりカロリー優先&エネルギー変換効率を優先すると、こうなっちゃいますよね。袋のカロリー表示を見て品定めしている怪しいサイクリストの姿はレジの方にはさぞかし奇妙に見えたことでしょう。

時間は18:50。新幹線は20:09。残距離約15km。って、ヤバイヨヤバイヨ…!!!
イートインで一気にあんパンを食べきって、クリームパンは口にくわえ、遅刻少女のようないで立ちで四十男がバイクにまたがります。

それにしても補給の力は偉大。改めて人体の不思議。一気にパフォーマンスが上がってきました。

ドラマティックな旅のゴール!【博多駅】

とにかく時間との闘い。そして終盤には大きな山越えが待っていました。というのもルート検索を誤ったらしく、どう見ても最速ルートとは思えない【大野城二丈線】なる峠コースを走っていた私。こなくそ!という気合でのぼりをいなして、下りのスピードアップに賭ける…ものの、暗すぎてコワイ。

刻一刻とタイムリミットは近づいてくる中、なんとか市街地エリアに出たものの今度は信号です。輪行準備がある以上、20時前には博多駅につかないといけない。信号1本での時間のロスさえ惜しい…

でもまだ、なんとかギリギリいけるのか…!?と、夢中でペダルを回し【博多駅】に着いたのは20:10。はい、アウトです。ガーン…。

…あぁ。帰れないわけではないけれど、チケットをただ同然で捨ててしまうことになったのは、自分の行程組みや体力の計算ミスが招いたこと。自責の念がハンパありません。

で、今から乗れる便調べなきゃ。とチケットを確認したところ…

えっ!?チケットの時間【20:51発】になってる(なってた)
つまり、脳内で記憶していた時間が間違っていたのです。ということは「間に合ってる!!!」

まさに奇跡(ではない)が起こったのです。ここから落ち着いて輪行準備&食事の買い出しまで全然余裕です。

そんなこんなで、無事に乗ることができた【新幹線】ひかり号。今までの中で一番ほっとした瞬間かも。

新大阪までの3時間あまりの車窓の旅は贅沢メニューです。お酒とおつまみは外せない!

食べて、飲んで、写真を整理して、走行ログを起こして…など、なんやかんやすることがあったりするのが帰りの電車旅の醍醐味でもあります。退屈しないなあ。

そして、無事に23:32。【新大阪駅】に帰ってくることができました。

うーん、いろいろな事がありすぎた2日目でしたね。ともかく行程通りにコトは運んだわけです。1泊2日という短くも長い旅がこれにて完結したのでした。

エピローグ&旅のまとめ

朝から晩まで走る1DAYロングライドは気軽に行けて満足度が高く、いわゆるコスパに優れた旅なんですが、宿泊を挟むとより遠くへ行くことができたり、気持ちが完全に旅モードになるので、感性の密度が上がるというか、旅の印象が一段と深まることを実感します。その分時間とお金がかかってくるので、頻繁に、とはいかないのですけどね。

今回の【壱岐島】旅。動機は何度か触れたとおり、高校の修学旅行の追体験。これが非常に良かった!今となってはまさに「粋(いき)」な場所に連れて行ってくれた高校の先生方に感謝です。これがTDLやスキーなら「追体験」になっていない。もしもこの記事をご覧の方で修学旅行先がマイナー過ぎて不満だった方は、改めて自転車旅で行くことをお勧めします。

そんな【壱岐島】ですが、記事のとおりまさに絶景のオンパレード。冬の自転車旅としては十分すぎる場所です。これが春の新緑の時期なら、または秋の紅葉の時期ならとかいろいろイメージしちゃいますが、きっといつ行っても美しいところだと思います。瀬戸内住まいの身としては外洋に面した離島というロケーションも魅力的ですし。

どこかに書いていますが【長崎県 壱岐】【壱岐島】は、私の中で【日本で最も美しい島】の一つに認定されましたので、自信をもって皆さんにお勧めできる島です。ぜひ自転車旅で訪れてください。

それでは旅のまとめとして、以下に行程と経費を簡単に記しておきます。備忘録として又は誰かの参考になれば。


<旅の感想>
・とにかく【美しい島】。瀬戸内のどの島とも違う風景は一見の価値あり
・行程はすべて【アップ&ダウン】。常時8%が基本だけれど、頑張りすぎないペースなら大丈夫。登る度に絶景で、むしろ峠が好きになる。
【島のサイズ感】が自転車旅にちょうどいい!1泊2日で十分に回り切れる距離。
・冬でもとにかく暖かく、ライド自体を十分楽しめた。【冬の行先】としておススメ。

<旅の反省>
・交通費と時間を要するので、コスト&タイムパフォーマンスは良いとは言えない。
・新幹線から船への乗り換えに余裕なし。博多港で迷わぬよう下調べを綿密に。
・アップダウンでカロリー消費が早い。補給場所も限られるので補給食&水分は多めにストックを。


<1日目>【総距離49km、獲得標高930m、実走行時間3時間00分】

6:06 JR新大阪発 → 車内朝食 → 9:20 JR博多着
10:00 博多港発 → 船内昼食 → 12:20 壱岐 郷ノ浦港着
12:45 壱岐ライドスタート
13:30 海豚鼻 → 14:15 初瀬の岩脈 → 15:00 岳の辻展望台 → 15:20 塞神社 → 16:00 鬼の足跡 → 17:30 猿岩
18:10 国民宿舎 壱岐島荘 夕食・温泉・就寝

<2日目>
壱岐編【距離48km、獲得標高650m、実走行時間3時間02分】
佐賀~福岡編【距離58km、獲得標高440m、実走行時間2時間41分】

6:30 起床・温泉・朝食
8:30 壱岐ライドスタート
10:00 勝本エリア → 11:50 龍蛇神社 → 12:30 スーパーマルダイ&昼食 → 13:15 左京鼻 → 13:30 小島神社 → 14:15 原ノ辻遺跡 → 14:30 印通寺港着
14:50 印通寺港発 → 16:30 唐津港着

16:30 唐津港スタート → 18:30 ハンガーノックで撃沈 → 18:45 ファミマで補給
20:10 博多駅到着
20:51 博多駅発 → 車内夕食 → 23:32 新大阪着


<経費>

科目内容内訳金額(円)
交通費新幹線(往復)@8,300×往復16,600
フェリー(往路)@2,490+輪行02,490
フェリー(復路)@1,840+自転車8402,680
宿泊費国民宿舎 壱岐島荘@5,500(1泊朝食)5,500
食糧費1日目朝食パン・おにぎり・コーヒー400
〃 昼食カップ麺200
〃 夕食うに飯定食+天ぷら+ビール3,000
〃 間食等飲料・アイス等400
2日目昼食総菜いろいろ+ジュース650
〃 夕食弁当・スイーツ・お酒・おつまみ1,200
〃 間食等飲料・コンビニ補給等800
雑 費お土産うに飯・海藻・菓子1,500
その他その他1,000
総 計---ーーー36,420

総経費は3万円台後半。1泊2日としては高めですね。とはいえ交通費が6割を占めるので、どうしても距離的な要因で高くなってしまいます。こうやって旅の経費をまとめておくと、次回以降の旅の参考になってくれるので大切なデータです。


ということで、今回の旅のまとめでした。

さあ次の旅は、いつ、どこへ向かいましょうか。

おしまい。

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